約 1,236,990 件
https://w.atwiki.jp/studentx/pages/682.html
ハンツマン(Huntsman) / ゾナ・クラスター6(Zona Cluster-6) (キャラクター、マーベル) 初登場:New X-Men #129 (2002年9月) 種族:ウェポン・プラス計画実験体 (New X-MEN #130,2002年10月) 概要 ハンツマンはウェポン・プラス計画の12番目の実験として、研究施設「ザ・ワールド」で創られた人造生命体。すなわちウェポンXII。ファントメックス(ウェポンXIII)と同時期に創られた。 ミュータント殺戮ロボット「センチネル」の技術と生命体との融合体で、スーパー・センチネルとなるべく考案された。 必要ならいつでも殺せるように爆弾が仕掛けられており、ファントメックスがそのスイッチを押したために死亡。(New X-MEN #130) 能力 他の生命体に触れるだけでその意識を支配し、自分の体の一部のように自在に操ることができる。 これは支配した生命体が他の生命体に触れることでウィルスのように広がっていく。 アメコミ@wiki
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2881.html
ゆっくりいじめ系1696 ゆっくりじゃーの 1より 熟成室。太鼓型のハゲありすが高い天井まで届く棚に並べられた、何ともシュールな部屋。 まずは運ばれて間もない新参ありすを見てみよう。ワックスの向こうから、体に焼き入れられた印が見える。 「この熟成室には、0〜24ヶ月のありすが保管されています。 25ヶ月以上のありすは別の熟成室に保管してありますので、ここでは見ることは出来ません。 勿論、後で25ヶ月以上のものもお見せ致しますので、ご心配なく。」 「新参のありすは、最初に特別な仕掛けが施してある棚に並べられます。 視界全部が、自力で動けず、口も開けず、髪も一切生えていないありすで埋め尽くされた環境に、 運ばれて間もないありすは大抵気絶するのです。 その後気絶から醒め、悪夢や幻の類でないと分かると、今度はかつてのゆっくりした日々を思い出して、 また何度目かの滂沱の涙を流します。 どんな工程においても、細心の注意を払いながら目を保護してきた理由の一つがこれなのです。 そして、この大量の涙を効率よく室外へ排出できるように設計してあるのが、新参が最初に置かれるこの棚です。 ここでしっかりと涙を流させるのが、目を保護してきた最大の理由です。」 次は運ばれてから1ヶ月ほど経ったありす。 大体さっき見たありすと同じであるが、膨大な量の悲しみが、そっくり怯えに入れ替わっているのが分かる。 体全体を覆うワックスの艶が良くなっている。 「ここに運び込まれたありすは、表面についた不純物や汚れを取るため、 1日に1回、規定の布で、規定の時間をかけて、規定の回数だけ、一つ一つ手作業で丁寧に磨いているのです。」 次は2ヶ月のありす。ワックスも磨かれて大分薄くなっており、下の焼き印がよく見える。 人間が近寄ってきたのに反応して、こちらの動きを目で追っている。1ヶ月前より更に怯えを増したようだ。 それに、さっきの2つはワックスがあってよく分からなかったが、どうも肌の色がありす種のそれではないような気がする。 ゆっくりの中では割と色白な方なありすだが、今目の前にいるそれは、やや黄色みを帯びてれいむ種のような肌の色になっている。 次は3ヶ月のありす。さっきの様子から、更に怯えているものかと思ったが、何故か目からは怯えの色がすっかり消えていた。 絶望を宿しているかと言えば特にそんなでもなく、ただただ虚空を見つめてボケーっとしている。 どういった心境の変化だろうか。肌も1ヶ月の間に随分と黄色くなったようだ。 次は4ヶ月のありす。表面にごく薄く、それでいて均等に残るワックスに、素人目にも磨きの技術を感じることが出来る。 死んだ魚のような目をしており、しかしまだ息があることは明かな、そんな目をしている。 さっき見たありすより更に黄色がかった肌の色をしていた。 「磨き一回あたりの作業を細かく決めることで、常に一定の割合で均等に表面のワックスが削り取られていきます。 表面に焼き付けた数字は、記された年月の前後1ヶ月の間にこの焼き印を磨き取れ、というメモなんです。 もう皆様お気づきかと思いますが、磨きにも専門の職人が携わっております。」 次は運ばれて半年になるありす。 ワックスが完全に磨き取られており、表面の一年後の日付が焼き付けられた皮が外気に触れている。 生きていると言われればそんな気もするし、死んでいると言われれば納得する、生死の判断に困るような目だ。 しかし何故目を閉じないのだろう。どれを見ても皆一様に目を開けたままの状態で鎮座している。 表面の色は、中身のカスタードと良い勝負が出来そうなほど、黄色くなっている。 次は9ヶ月になるありす。特別に許可を得て、焼き印がくっきりと残っている表面を触らせてもらうと、 ワックスがまだ残っているかのような硬さをしている。 誰が見ても死んでいるようにしかみえない目をしているが、やはり皆一様に目は開いたままだ。 しかも乾いていない。ここ3ヶ月で、肌の色はすっかりカスタードを凌ぐほどに黄色くなっていた。 そしてこれは1年もののありす。辛うじて日付が読みとれるくらいに焼き印が薄くなっている。 ワックスの代わりにすっかり硬くなった地肌が少しずつ磨き落とされているようだ。変 化が微妙で気が付かなかったが、これと新参ありすと比べると、明らかに目の色が違う。 透き通った青い目から、濁った緑へと少しずつ変化している。更に目蓋と目の間に白い粘着質な物体が溜まっている。 目が開きっぱなしの理由は、どうやらこれのようだ。しかし一体何だろう。 真っ黄色になったありすを疑問に思いつつ、次に進む。 今度は1年半ありす。すっかり焼き印が磨き落とされ、なんだか表面もじっとりしている。 目の変色は一気に進み、抹茶のような濁った緑色をしている。 表面の黄色化も存分に進み、かつて自慢だった金髪もこれほど濃い色はしていなかっただろう。 「さぁ、次は商品として出荷できる2年ものに行きたいと思いますが、 その前に、皆様既にお気づきのように、時間が経つほどに見た目が変わっていっています。 まずは表面ですが、ワックスが剥げ、焼き印も次第に薄くなっていましたね。 これは実は、表面を刻んで付けて全身にまぶしたり、カスタードに混ぜて食べさせた白い粉が主な原因なのです。 もうお気づきの方も多いでしょう。 あの白い粉、実は牛乳に含まれる脂肪分やタンパク質を固める働きのある食用カビなのです。 糖分を食べて活動し、塩分と乳成分を材料にして自分たちの巣であるチーズを作る働きがあります。 最初に表面を傷つけてすり込み、更にその後大量に食べさせたのは、効率よくカビをありすの中に運び込むためです。 ありす種の中身であるカスタード、それに含まれる糖分を食べ、同じくカスタードに含まれる乳成分と、 予め染みこませた塩分を利用してチーズを作るといった活動が、現在進行形で、 ここ熟成室にいる全てのありすのなかで、行われているのです。 体全体が黄色くなっているのは、表面に含まれる塩分が消費され、 変わりにチーズに含まれる黄色い油が内側から染みこんでいるからです。 そして目が開きっぱなしでかつ乾かないのは、最初に流した涙に含まれていたカビが目蓋と目の間で繁殖し、 そこで活動しているからいるからです。 何とも都合の良いことに、目の色を見て熟成の度合いが分かるため、この方法は非常に重宝しております。 徐々に反応が鈍く、まるで死んでいるようになっていったのは、 ゆっくりの命とも言える中身が次々にチーズに作り変えられてしまい、まともな思考が出来なくなっているからなんです。」 「『何で死なないのか』ですか?良い質問です。」 「ありす種に限らずほぼ全てのゆっくりにとって、その中身を失うというのは、そのまま死に直結する最大級の危険要因です。 しかし、次々に命の源であるカスタードがチーズに作り替えられていく一方で、 チーズもまた、ゆっくりの食料として体内で消費されているのです。 体の中でチーズが作られているため、当のありすが味わうことは不可能ですが、 体はそのチーズを食料と認識し、命の存続のために消化します。 消化したチーズはカスタードに作り変えられ、今度はそれがカビの食料兼住居の材料になるのです。 つまり、このサイクルによって、より上質のカスタードになり、品質を向上させていくのです。 これが、皆様が疑問に思われていることの正体、メカニズムです。さて、いよいよ2年ものに参りましょう。」 きれいに磨かれた表面は相変わらずだが、ここに来て一気に黄色の深みが増している。 半年前のものとこれを比べると、前者はペンキで塗りつぶしたような単純な黄色であるのに対し、 後者は良く練った飴のような複雑で透明感のある黄色をしている。目の色も濃いカスタードの色になっている。 「これが商品として出荷できる2年ものです。皮にチーズの油分が染みこみ、きれいな黄色をするようになったら完成です。 この段階で、きちんとした商品になっているか、チェックが入ります。実際にご覧頂きましょう。」 「皆様、ようこそいらっしゃいました。商品チェック担当の△△△△でございます。 今皆様の目の前にございます2年もののゆっくりじゃーのですが、 残念ながらカビの具合が悪かったりして規定の品質に満たないものが出てきてしまいます。 そういったものは更に時間を掛けてもどうにもならないため、不良品として処分されることになります。 調べる方法ですが、まさか実際に割って中を見るわけにはいきません。 今私が左手に持っている、この専用の木槌で叩いて、その反響音で中の状態を推測するのです。」 コンコン、コンコンと叩き、その一切の音を逃すまいと全神経を耳に集中させている。 一個、二個、三個とチェックしているが、今のところ問題はなさそうだ。 しかし、丁度十個目になるゆっくりじゃーのを叩いたところで、表情が険しくなる。 あらゆる角度から何度も念入りに叩き、じっくり音を聴いている。 「残念ながらこれは失格です。恐らく中はまだ液状で、本来の利用には堪えないでしょう。 微妙な判断を全て人力で行わなければならない過程が多いため、どうしてもこういったものが紛れてしまうのです。 そうですね、大体7〜9%くらいがここで脱落してしまいますね。 こうして失格になったものは、すぐに熟成室から撤去します。不良品の処理につきましても、後でご覧頂きます。」 「晴れて合格となったもののみが、各流通業者を通じ、各店頭で販売されるわけです。 流通業者の方は既にご存じだと思いますが、検査に合格した2年ものは、1個あたり80000円からの値段となります。 店頭では、100g当たり900円が平均ラインでしょうか。 しっかりとしたチーズの奥深い味わいに加え、上質のカスタード由来の甘みと、時折ふわっと香るオレンジが人気の一品です。」 チェックの説明に便乗してちゃっかり宣伝する工場長。 「さて、これで24ヶ月までの熟成過程の説明は全て終了となります。 ですが、25ヶ月以上のものをご覧頂く前に、不良品の処分をお見せ致しましょう。」 「先程残念ながら不合格となったありす達は、ここ、工場棟に戻されます。 先程担当者が説明しましたとおり、これ以上熟成させてももう商品のレベルに達しないため、早々に処分されます。 まず最初に、まっ平らになった頭の上に、「不良品」という焼き印を入れます。」 じゅー…。 「………。………?………!?……っ!!………!!!」 「丸2年間一切強烈な苦痛を味わわずに過ごしてきたありすも、この苦痛で一気に意識が覚醒します。 頭頂に加えられる強烈な熱さと、自分の体が随分とおかしなことになっていることに徐々に気が付いていきます。 口がなく、体もかなり固くなっていますので、動くこと、声を上げることは出来ませんが、 そんな状況でもかなりの苦痛を味わっているのです。」 確かに焼きごてを押しつけられてからすぐに目に光が戻り、自分の体の異常に気付いたようだ。 もっとも、気付いただけで特に何か出来る状態ではなく、何も出来ない分余計に苦しんでいるようだ。 目からは涙の代わりに粘度の高いカスタードともチーズとも付かない物体をゆっくりと垂れ流している。 「焼き入れが終わりましたら、次は表面全体を格子状に切り刻んでいきます。 ゆっくりじゃーのとして売れないようにするためです。 今まで大切に保護してきた目ですが、もうそんな必要もないので目もまとめて刻んでしまいます。 因みにこの目、食べても大して美味しくないため、普段は熟成の度合いを測るセンサーのようなものとしてしか使いませんが、 長い間熟成させると、透明なチーズとも言うべき珍味になります。」 久しく味わうことの無かった強烈な痛みに、滝の如く目からクリーム色をしたペースト状の何かを流している。 「こうして目からペースト状のものを流していることからも分かりますように、先程のチェック担当の判断は正しかったわけです。 中身が液状で、熟成が不十分なものです。今こうして不良品を皆様の前に晒すことになってしまった訳ですが、 皮肉にもチェックの精度は証明できたかと思います。 実際に皆様の前に並ぶものは全て、厳重な管理体制の下、完全なものだけをお届け致しますので、どうかご安心下さい。」 すごいのかそうでないのかよく分からないフォローが入る。 「えー、さて、こうして出てしまった不良品ですが、これは当工房で飼育しているゆっくりの飼料になります。 これからこれを砕き、小麦粉、砂糖、バター、卵、牛乳を加えて良く練り、それの形を整えて焼き上げます。」 ゆっくりの分際でそんなもの食ってたのか…。ドッグフードならぬゆっくりフードということで、 どうしてもプライドが邪魔して食べる気にはなれないが、でもやっぱり美味しそうだ。 他の参加者も一様に複雑そうな表情を浮かべている。 「こうして作られた飼料は、まず飼育棟にいるありす種に与えられます。 基本的にあればあるだけ食べるので、余ったことは今まで一度もありません。 因みに他のゆっくり達の飼料ですが、まず繁殖用のありす達には固形物は与えません。 空腹を感じたら勝手に足下のオレンジジュースを飲むので、特に世話をする必要がないんです。 それに、固形物が食べられない、といったことも重要なストレス源になるので、敢えて餌を与えない、という意味合いもあります。 飼育棟のありすに宛われるすっきり用まりさとれいむですが、 これには各工程で出た材料の余りや社員食堂で出た生ゴミ、繁殖の過程で見込み無しと判断された赤ありすとその蔦を与えています。 基本的に使い捨てで、どんなに不味くて不衛生な食事を与えても、 ゆっくりじゃーのの品質には全く影響はありませんので、ご安心下さい。」 「ゆぅ〜…まずいよおぉぉ…」 「やじゃああぁぁぁぁ…くさいよぅ…まずいよぅ…」 「れいむにおいしいごはんちょうだいね!ちょうだいね!」 「ゆうぅぅ…もうやだぁ…おうちかえるぅぅぅ…」 「ゆぎゃああぁぁぁぁ!!ごべんなざいいぃぃ!!もうじばぜがらゆるじでぇぇぇ!!」 「ついでに説明しますと、すっきり用ゆっくりは全て近くに住む方々から当工房が買い取ったものです。 内訳は畑荒らし5、家荒らし2、最初から売却目的なのが2、その他1くらいです。 買い取りは基本的に購入希望を出している時にしか行いませんが、 近隣の方々の精神衛生も考慮し、畑荒らし、家荒らしに限っては募集していない時でも買い取りを行っています。」 「では、処分その他の説明はこれくらいにして、いよいよお待ちかねの25ヶ月以上の熟成室へご案内致します。」 さっきの熟成室は風通しが良く、気温湿度共に快適だったが、 25ヶ月以上のゆっくりじゃーの専用熟成室は地下に設けられ、やや湿気と温度が高くなっている。 「先程のカビの説明の続きをしましょう。 カビがカスタードをチーズに作り変え、ありすがチーズをカスタードに作り変えている、と説明させて頂きました。 それをもう少し詳しく説明させて頂きます。 先程の熟成室にあるありす達は、殆ど意識がなく、はっきりとした意識を保っているのは始めの2ヶ月程度です。 これは、自分がそのうち死ぬに違いないという気持ちが恐怖を生み、その恐怖がカスタードをより甘くするのが原因です。 甘くなる、ということは糖分を主なエネルギー源とするカビの食料が増える、ということと同義で、 これによってカビの数が一気に増え、活動が活発になりチーズの生成速度が跳ね上がるのです。 そのためありすの中身であるカスタードが少なくなり、意識が朦朧としてくるのです。 一度意識が朦朧としてくると、強い恐怖を感じる精神活動が出来なくなるため、激増したカビが減り、 以後はほぼ一定数のカビが体内で活動をすることになるわけです。 ですから3ヶ月以降のありすは、一日中ボーっとしてばかりで、人間が来ても全く反応を示しません。 ただただ死なないためにチーズを消費しカスタードを作るのみの生物になります。 ですが、そういった環境が生物にとって良いかと言えばそんなことはなく、 朦朧とした意識の中でも一応苦痛らしきものは感じています。 工場棟にいた頃の刃物や熱などの痛みによって苦痛を感じるのではなく、 変わらない風景や環境、待てども待てども起こらない感動や刺激といった無機質な日々そのものが、 それまでとは全く違った質の苦痛となって、ありす達を蝕んでいるのです。 少々ややこしいかと思いますが、まぁ大雑把に表現しますと、 精神活動全体を100として見た場合、99が停止し、残った1で孤独や虚無感を感じている、と言ったところでしょうか。 ですが、そういったサイクルも永遠に続くことはなく、 一日や一週間の短期的な周期で見たら全く分からないほどの小さなものですが、 少しずつ少しずつ、ありすの方が弱っていってしまうのです。 何度も死んでは生まれてくるカビに対し、一つの生命であるありすですから、自明の理と言えばそう言えるのかも知れません。 続きは順次、例を見ながら説明することにしましょう。」 「25ヶ月を境に、磨く頻度が週一から月一に変わります。 空気の流動が殆どないためホコリが溜まらないためそれほど念入りに掃除をする必要がないのと、 ありすに与える刺激を最小限にするためです。 さて、これがここに移されてから半年のありすです。先の2年と合わせて、合計2年半の熟成期間ですね。 表面の黄色も透明度や色彩の複雑さを増し、より綺麗なものになっているのが分かると思います。 カビがほぼ均等にありすの体の中に散らばった結果、ついにその表皮までテリトリーを広げ始めた段階のものです。 2年ものは食べると甘みやオレンジの香りがしますが、これはその甘みや香りがより強いものになっています。 皮に染みんでいたオレンジジュースの成分がカビによって体内に取り込まれた結果によるものです。 2年もののありすの生命力を10とすれば、これは今6と7の中間くらいでしょう。1個あたり15万からの値段で取引されております。」 工場長の言うとおり、見事な色をしたありすだ。 たっぷり空気を含ませた蜂蜜をそのまま固めたかのような、何とも不思議な色をしている。 目の色も、最初の澄んだ青が嘘のように黄色に染まっている。 「次は3年もののありすです。表皮の分解が存分に進み、鮮烈なオレンジの香りを楽しむことが出来ます。 2年もの以上の芳醇なチーズの香りと合わさって、何とも言えない風味を楽しめます。 香りを楽しむという目的に最も適した一品で、非常に人気の高い商品です。 先程の基準で言いますと、これの生命力は丁度半分の5くらいになります。 これだと1個あたり23万からの値が付きます。」 全体の透明度が更に上がり、メノウか琥珀のような色をしている。 濁った色をしていた目も、ここに来て少し透明感が出てきたように感じられる。 「こちらは4年もののありすです。表面がほぼ完全に透明になり、中のチーズが薄く透けて見えるほどです。 ここまで来ますとオレンジの香りも大分後ろに引っ込むようになり、純粋なチーズとしての利用が一般的です。 ここまで熟成が進んだものは大変貴重で、値段もその分一気に跳ね上がります。 今ですと1個31万からの値段になります。生命力は3程度ですが、熟成の度合いに反比例して、 ありすの意識がどんどん薄れていきますので、その分苦痛を感じる度合いも少ないため、 このあたりから生命力の減りが少なくなっていきます。」 見るからに美味しそうなチーズが黄金の琥珀に包まれている。まさかゆっくりに見とれる日が来るとは思わなかった。 「そしてこれが5年ものです。 もう殆どカビの働く余地がなくなり、今度はチーズの乳酸菌がカビを食べる、といったことが行われるようになります。 こうなりますと、大きな特徴であったオレンジの香りは完全になくなりますが、 それを差し引いてなお余りある程の芳醇この上ない香りを放つようになります。 味も別格で、指で触ると崩れるほどに硬くなっており、噛めば噛むほどにどっしりとした力強い味が口いっぱいに広がります。 生命力は3と2の間くらいです。 5年ものまでになりますと、保有している数も一気に少なくなってしまうため、 値段も相応のものになってしまい、現在は1個50万からの値段になっています。」 見た目は先程とあまり変わっていないが、目は明らかに違う。 透明な黄金色の表皮と比べて、更に透明度が高く色の濃いものになっている。 匙ですくったらどんな感触がするのだろうか。全く想像がつかない。 「このくらい熟成が進んでようやく、目も美味しく食べられるようになります。 先程、不良品処理の時にも少しだけお話し致しましたが、その目はまさに透明なチーズと言えるでしょう。 ねっとりと舌に絡みつくゼリーのような、他ではちょっと味わえない不思議な食感が最大の売りです。 一匹の5年以上熟成ゆっくりから、テニスボール大の目玉が2つしか取れないので、非常に高価になっております。 先程5年もの1個で50万と言いましたが、実は目玉無しの場合、45万まで値段が下がってしまいます。 目玉一個2万5000の計算ですね。同量のトリュフとほぼ同じ値段です。 お客様の中にはこの目玉目当てで5年ものを丸々一個お買い上げになるくらい虜になっていらっしゃる方もいます。」 「次は6年ものをご覧下さい。チーズの乳酸菌がカビの8割ほどを食べ尽くし、より一層熟成が進んだ段階です。 基本的な味や香りの性格は5年ものとほぼ同じですが、それらの質は格段に上がっており、 5年もの以上の重厚かつ馥郁たる味わいが楽しめます。 生命力は2、価格は65万から、目玉一個あたり3万になっております。高価ですが、希少なため在庫が少なく、 現在4年先まで予約が入っており、ご購入をご希望される場合は、 申し訳ありませんがお待ち頂くしかございません。」 「さて、最後になりました。当工房が提供する究極の一品、7年ものの説明に入りましょう。 乳酸菌によって完全にカビが食べ尽くされ、熟成度は最大になっています。 りを包む皮は完全に透明になり、中のチーズが完全に外側から見ることが出来ます。 目玉も人間の体温で簡単にとろけるくらいに熟成され、ゼリーとお餅とチーズを合わせた摩訶不思議な食感となっています。 これの生命力は1未満で、これは半年もすれば死んでしまう数値です。 そのため日持ちはしませんが、その分今までのものと比べて味も香りも、 もはや筆舌に尽くしがたいほどに素晴らしく、まさに究極を名乗るに相応しい一品です。 値段は80万から、目玉一個5万からの値段になります。 非常に高価な商品ですが、現在3年先まで予約で一杯なため、残念ながら急な販売には対応出来ない状態です。」 黄金のベールに包まれた更に深い黄金色をしたチーズ。 完全に透き通った目玉はガラス細工のようだ。 これが元ゆっくりありすと聞いて信じる人がどれだけいるだろうか。何ともすごいものを見た。 「さて、これで当工房の『ゆっくりじゃーの』の説明は全て終了となりましたが、いかがでしたでしょうか。 素材から拘り抜き、多くの職人による熟練の技術が結晶となった、最高の一品であると自負しております。 拙い説明ではありましたが、この良さが少しでも伝われば幸いに存じます。」 「それでは皆様、本日は大変お疲れさまでございました。 当工房に興味を持って頂き、実際にこうしてわざわざお越し下さいましたお礼と致しまして、 大したものでは御座いませんが、お土産を用意させていただきました。どうぞ、お受け取り下さい。」 何となく予想はしていたが、中身はゆっくりじゃーの。 2年ものから5年ものまで半年刻みに7種類、一口サイズずつ入っていた。 今日の見学会で聞いた値段から計算して、2万円は確実にするだろう。 これが目当てで参加している者も多いらしい。 帰り道、まりさを押し倒して無理矢理すっきりしようとしているありすを見かけ、あることを思いついた。 捕まえたありすの頭の上に穴を開け、そこにスプーン3杯の食塩と、かなり勿体ないが2年もののチーズを入れてみた。 もしかして、と淡い期待を抱きながらやってみたが 「ゆひひひひっひひひひひくひひひひひひりひひひひひひひひせひひひひひて!!!」 「ゆけけけけぅけけけけ〜けけけけけけおけけけうけけけちけけけかけけけえるけけぅ…」 まぁ当然の結果だろう。多くの職人の技術を総動員させて作ったものと、素人が思いつきで作ったのとでは全く違う。 結局普段手に入らないチーズを無駄にしてしまったという後悔に苛まれながら、不貞寝をすることにした。 うるさいのでありすは閉じこめて置いた。サブリミナル的な主張を感じるが気にしない。 あー、畜生。せっかくのチーズが…。 翌朝、好奇心でかじってみたらレアチーズになっていることを発見し、 彼が大慌てでありす工房に駆け込むのだが、それはまた別の話。 この後 カース・マルツゥ(★★★検索要注意!!一応食べ物ですが、虫が出てきます★★★) ネタに続けようかと思ったんですが、 調べているうちに本当に気持ち悪くなってしまったため断念。ミミズ相手に全力で逃げ出す俺には無理でした…。 こんな下手くそな文章に最後まで付き合って頂き、ありがとうございました。 すこしでも楽しんで頂けたら光栄です。 ところで、ゆっくり虐待を知ってから無性に饅頭食べたくなって衝動的に買ってしまった人って俺だけじゃないよな?
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/246.html
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 もう日にちをまたぎかけている時間になってようやく自分の家に帰り着いた俺を迎えたのは聞きなれない声だった。 視線を落とすとそこには饅頭にも大福にも見える奇妙な生き物(?)がいた。 知っている…こいつらは最近幻想郷で大量発生し、田畑はおろか、民家に押し入って食料を勝手に食い漁る害悪生物だ。 友人も被害に遭い、散々な目にあったと愚痴っていた。 誰が初めに呼んだかは知らないが、「ゆっくり」という呼称で知られている。 いや、そんなことはいい。 何故俺の家にこいつらがいるのか、それが問題だ。 疑問はすぐに解ける。ベランダの窓が開きっぱなしだ。朝洗濯物を干したとき、うっかり鍵を閉め忘れていたようだ。そこから進入したのであろう。 「ゆ?」「おにいさんだれ?」「ゆっくりしようよ!!」等とゆっくりどもは口々にしゃべり出す。 見たところ親子連れなのか、母親らしき霊夢種が1匹いるほかは、魔理沙種も混じった子供が12匹ほどいた。 魔理沙種が混じっているのはおそらくつがいの魔理沙種がいたのだろう。いない理由はれみりゃ種にでも襲われたと言うところか。 まあいい、とっとと追い出すか、と思った矢先、俺は見てしまった。 俺の机の上には、たくさんの思い出の品があった。亡き母が生前使っていた手鏡、父が買ってくれた玩具、寺子屋の先生がくれたそろばん、 子供の頃、向日葵畑の怖いけど優しかったお姉さんがくれた押し花。 手鏡は投げて遊んだのか、壁に当たって粉々になっていた。 玩具も同様だ。もう原型が残っていないほど滅茶苦茶になっていた。 そろばんは今も子ゆっくり魔理沙たちが振り回している。振り回しすぎて折れたのか、珠がボロボロ落ちている。 押し花は餌になったのだろう、今も子ゆっくりがむしゃむしゃむさぼっている…。 「うっめ!めっちゃうっめ!ハフハフ!!!」 呆然と立ち尽くす俺の前に、母ゆっくりと残りの子ゆっくりが図々しくもやってきてこう言った。 「お兄さん、おなかがすいたよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 「ここはみんなのいえだよ!ごはんをもってこないお兄さんはでていってね!」 そのとき、俺の中で何かが切れた。 俺は怒りに任せ、母親ゆっくりを思い切り踏みつけてやった。 「ゆ”」短いうめき声が聞こえた。しかし俺は容赦する気はない。 何度も!「ゆ”」何度も!「ゆ”」踏みつけてやる!「ゆ”~~~!!!」 「も”う”や”め”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」母ゆっくりがくぐもった声で悲鳴をあげる。最高の気分だ。 「お”か”あ”さ”ぁ”ぁ”ん”」「と”う”し”て”こ”ん”な”こ”と”す”る”の”ぉ”ぉ”」子ゆっくり共が泣き叫びながら訴える。 しかしそんなことは知ったことではない。思い出を無惨にも壊された俺の怒りはまだ収まらない。 子ゆっくりは母ゆっくりを助けるためのか、懸命に体当たりをしてくる。 「ゆっくりやめていってね!」「おじさんやめて!」「ゆっくりやめて!」 蚊ほども効かないがな。 その後も母ゆっくりを踏みつけたりしたが、そろそろ飽きてくる。それでもまだ収まらない。 その間も子ゆっくり達は母親を救おうと、体当たりを何度もしてきた。しかし魔理沙種はあろうことか、体当たりに飽きたのか 母親の危機なのにふてぶてしくも眠っている。なんてやつだ。 「ゆ、おかあさんたいへんなんだよ!!」「おきてよぉおお!!」と霊夢種が起こそうとしても「しつこいんだぜ!!」と取り合わない。 魔理沙種は生き残るためなら家族、親友でも見捨てるほどとは聞いたが、これは見ていて腹立だしいものだ。 母親を踏みつけたり叩きつけたりするのも飽きたし、俺はこの憎憎しい子ゆっくりの方も責めることにした。 もちろん、さっきから何度も体当たりをしてうっとおしい子ゆっくり霊夢の方も一緒に。 どうやって責めようかと考えたとき、あるものが目に映った。 それは以前、とある河童の発明家が製作して売っていた加熱装置だ。 左右に電熱線があり、中に食べ物を入れるとこんがりと焼いてくれるというものだ。 しかも中にはスライド板がある。これは温度調整のためにあるとか言っていたが、邪魔だったので普段は取り外していた。 しかしそれを見て俺に妙案がひらめく。ゆっくりどもを地獄に叩き落す妙案が…。 まず俺は母親ゆっくりをすぐそばにあったダンボールの中に閉じ込める。 「お兄さん、うごけないよ、ここからだして!!!」という声は無視だ。 さらに子ゆっくりを捕まえ、黒い袋の中に閉じ込める。霊夢種と魔理沙種は分けておく。 「くらいよー」「ゆっくりさせてよぉ!」「うごけないよ、ゆっくりできないよ!!」と騒ぐのも気にしない。 そしてその間に加熱装置のスライド板を取り付けることにする。 思ったより取り付けるのに時間がかかり、取り付けが終わったときにはゆっくりどもの騒ぎ声は聞こえず、寝息が聞こえる。 のんきなものだ…と思いながらも、寝ている今なら手間がかからないので、仕上げにかかる…。 翌朝。 「ゆ…」「ゆ、ゆっくりうごけるよ!」 6匹ゆっくり霊夢たちは目を覚ました。そこは昨日の暗くて狭い空間ではない。 狭いけどそこは立派な空間だ。十分余裕のあるところ。 母親や兄妹であるまりさがいないのはすこし気になったが、所詮は饅頭。今自分達があの恐ろしい人間の手を逃れたのだと思い、 その喜びを分かち合い、そして新しい自分達の家があることが嬉しかった。 「きょうからここがれいむたちのいえだね!」「みんなでゆっくりしよう!」 しかし、4面ある壁の一つ、ガラスの壁を見て、それはすぐに絶望に変わった…。 ガラスの壁の外、そこにはガラスケースに閉じ込められ、苦しそうにしている母ゆっくりの姿があったのだ…。 「お、おかあさーん!」「どうしてーー!!」「そんなんじゃゆっくりできないよーーー!!」 「おお、起きたかクソ饅頭ども」 その声を聞いたゆっくり霊夢たちは恐怖に震える…。そう、昨日母親を恐ろしい目に合わせた、あの人間の声だった。 そしてやっと気づく。この空間には出口がないということに。自分達はこの人間によって閉じ込められたということに。 「た”し”て”! た”し”て”よ”ー!!」「お”う”ち”か”え”る”ー!!」 霊夢たちは必死だった。必死で訴えた。懇願した。 「うるさい!!!」人間が大声で叫び、大きな衝撃を与えてきた。霊夢たちは恐怖で震え、何もいえなくなった…。 と、壁の向こうから何か聞こえてくる… 「ゆ……」「ゆ、ゆっくりうごけるんだぜ!!」 それは兄妹であるまりさの声だ。壁の向こうにいるのか、壁に向かって叫ぶ。 「ま、まりさーー!!」「そこにいるのー!?」 「れ、れーむ!?」「ここはどこ!?」「わたしたちたすかったの!?」「よがっだね! よがっだね!」 間違いない、壁の向こうにはまりさがいる。安堵するゆっくり霊夢。 「まりさも起きたか…ちょうどいい」人間の声がしてビクッ!と反応する。 「お、おかあさーん!」「た”し”て”! た”し”て”よ”ー!!」「お”う”ち”か”え”る”ー!!」 ガラスの外の光景に気づいたのか、まりさ側からも恐慌の声が聞こえてきた。 そしてまた衝撃を与えられ、静かになる。これから何が起こるのか、恐怖が蘇り、震えだす…。 「いいかお前ら、俺は優しいからどちらかだけおうちに帰してやる。」 その声を聴いた瞬間、まりさ側から大きな声が上がる 「ま、まりさだけをたすけてくれだぜ!!」「れいむなんかたすけなくていいよ!!」「まりさだけゆっくりさせてね!!」 信じられないという顔をする霊夢たち、そう、霊夢たちは知らなかったのだ。 まりさは生き残るためなら家族でも見捨てると。 「や”、や”た”ーーーーー!!」「た”し”て”! れ”い”む”た”ち”を”た”し”て”よ”ー!!」 たちまち恐慌に陥る子ゆっくりたち。醜く言い争うその姿は、とても家族には見えなかった…。 と、とたんに部屋が暖かくなってきた。 「ゆ?あったかくなってきたよ!ゆっくりできるよ!」と先ほどの恐慌を忘れてのんきにはしゃぐゆっくりたち、 しかしそれも2分もすると… 「ゆ?あっあついよ!!」「あつい、あついよーーー!!」「あついぜあついぜ、あつくてしぬぜ!!」 部屋の温度が急上昇し、とても耐えられる温度ではなくなったのだ。 逃げ場をなくすゆっくりたちに、外から人間の声が聞こえる。 「いいかゆっくりども、俺は焼き饅頭が食べたいんだ。どっちか片方だけを焼いて食べることにした。 さっきも言ったが片方だけは助けてやる。その壁を押せば相手を焼いて自分は助かるぞ。さあ、頑張ることだな」 その声を聞いたとたん、まりさたちはいっせいに壁を押し始める。 「れいむはゆっくりしね!」「まりさたちはゆっくりさせてもらうんだぜ!!」「ゆっく、さっさとしね!!」 そして壁を押され、熱源に近づいてしまった霊夢たちはその身を焼かれることとなる。 「あ”ち”ゅ”い”よ”お”お”お”お”お”お”お”!!!」「た”す”け”て”え”え”え”え”え”え”!!!」 「や”へ”て”え”え”え”え”え”え”!!!」 まりさはその声を聞いて勝ち誇り、壁から離れる。 すると今度は反撃とばかりに、霊夢たちが壁を押し始める。 「ひっく、まりさはゆっくりしね!!」「まりさなんてゆっくりやかれてね!!」「れいむたちをゆっくりさせてね!!!」 そして今度はまりさたちがその身を焼かれる。 「い”や”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」「た”し”け”て”え”え”え”え”え”!!!!」 霊夢は仕返しが終わったと思い満足し、壁から離れる。 すると今度はまりさのほうが反撃とばかりに壁を押し始めるのだ。 まりさが壁を押して離れ、れいむが壁を押して離れ、そしてまりさが、れいむが…… この争いはいつまで続くのだろう…… 「くくく…うまくいってるな……」 俺は醜い争いを続ける子ゆっくりどもをみて笑う。なんとも楽しい気分だった。 昨日の夜のうちに、俺は加熱装置の中に子ゆっくりどもを閉じ込めた。 もちろん、今起きているように霊夢とまりさは分けて。魔理沙種は生き残るためなら(ryので、この状況のために分ける必要があったのだ。 平然と霊夢を見捨て、壁を押し出すまりさ。それに触発、あるいは必死で生き残ろうと壁を押し返す霊夢。 何もかも完璧だ。家族といいながらもそれを見捨て、醜い争いを演じる饅頭どもを見て俺は気分が晴れていた。 そして俺の傍らには、ガラスケースがある。 そう、中には母親ゆっくりが閉じ込めてある。朝のうちに用意したのだ。 母親ゆっくりは涙を流している。わが子を助けてあげたいのだろう。だが口も昨日の内にホチキスで止めてあり、くぐもった声しか出せず、 俺に助けを請うこともできない。身動きの取れない状態で、わが子が醜くも殺しあう光景を見せ付けられるしかないのだ。 俺はさっき、片方だけ助けるといったがもちろんそんな約束守る気などない。 生き残った方も焼き饅頭にしてやるのだ。それも母親の目の前で。 俺はわずかな希望をも打ち砕かれたとき、母親ゆっくりがどんな顔をするかを想像し、なんともいえない快感を感じた… FIN
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/851.html
畑がうるさいので見に行くと畑に来る小動物用に仕掛けていた罠に子ゆっくりが4匹捕まっていた。 れいむ種とまりさ種だ。この二種類は里に近いところに住んでいるのでよく見かける。 子ゆっくりはどうやら畑の作物を食べようとしていたらしい。 「ゆゆっ!でぐちがどこにもないよ!」 「さっきまではあったのに!」 「ここじゃそのうちゆっくりできなくなるよ!」 「だれかたちゅけちぇね!」 先ほどの騒ぎ声は罠に嵌り出れなくなった子ゆっくりのものだったようだ。 一匹は赤ちゃんか、赤ちゃんに良いとこ見せようとしたんだな。 罠をがたがたと揺らして逃げようとする姿をじっと見るのもいいがそうもいかない。 「ゆゆっ!だれかきちゃよ!」 「おじちゃんたすけてね!」 「れいむちがうよ!けがふさふさだからおにーさんだよ!」 「ゆっ!そうだね!おにーさんたすけてね!」 誰が仕掛けたと思ってるんだ。無視して罠を交換する。 出してもらえると思った子ゆっくりは早く出してねと俺を急かしている。 どうやら運が良かったようだ。 「ゆゆっ?おにーさんどうしたの?はやくしてね!」 「たかいところはこわいよ!はやくおろしてね!」 「入ってるのがゆっくりだけで良かったな。」 前に仕掛けていた罠はゆっくりといのししが一緒に入っていた。 そのため俺が気づいたときにはいのししが食い散らかしていた。 今回は掃除しなくてすみそうである。 「おにーさん早くだしt・・・ゆべべべべ!」 「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいい!」 「おね゙ええええぢゃあああああああん!」 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!」 うるさいので箱を揺する。箱の中で跳ね回る子ゆっくり達。 面白いので縁側まで揺すってしまった。 死んでは無いだろうが餡子を吐かれては困る。 家につく前に飛んでいたうーぱっくを呼び寄せ、この子達の親を呼んできてもらう。 その後、近くに置いていた新聞を手早く広げ、そこにゆっくりを慎重に出していく。 「ゆ~、みんなぐりゅぐりゅ~」 「れいむにげないでね!」 「まりさこそにげないでね!」 「きもちわりゅいいいいい!」 まだ、餡子を吐くほどではなかったか。 それでも目を回した状態のゆっくりは跳ねようとして転がったり見当違いの場所に進んだりしている。 一匹吐きそうだったので口を押さえて背中を撫でてやる。 「口から出さずに飲み込め。」 「ゆぐぐぐggggゴックン」 どうせ餡子を吐くんだから飲んでも問題ないだろうと思ったのだが、苦しいのは苦しいらしい。 飲み込んでる間に立ち直った他のゆっくりが苦しんでる子ゆっくりに近づいてくる。 それを待ってからゆっくりに話しかけた。 「何で捕まってたか分かるか?」 「わからないよ!ゆっくりおしえてね!」 「それは君達が取ろうとしてたのは俺が育ててた野菜だからだ。」 「ゆぅ・・・でもれいむたちおなかすいてたんだよ!」 「ちゃんと柵作ってたんだけど小さいからすり抜けれたんだな。」 「いもーとだっておなかすいてたんだよ!」 「ひとのものをとっちゃだめって言われなかったかい?」 思い当たる節があるのか口を噤むれいむ達。 それでも一匹のれいむは納得できないようで、 「ゆぅうう・・・まりさ!このおにーさんはゆっくりできないよ!」 「でもおかーさんはひとのものとっちゃだめっていってたよ!」 「そんなのわすれちゃったよ!まりさはゆっくりしたくないの!」 「ゆゆっ!ゆっくりしたいよ!」 「じゃあおにーさんをたおせばいいんだよ!」 「そうだね!みんなねきょうりょくすればかてるね!」 ある程度は予想していたがこうも簡単に説得されるとは。 子供だから自分達の力を過信してるんだろうね。 ここで説得できずに反省して変えられても困ったので素直に用意してた小石を手に掴む。 「ゆゆっ!おにーさんまりさたちとやるきだね!」 「けがしてもしらないよ!」 「おねーしゃんがんばっちぇね!」 臨戦態勢に入った子ゆっくりが膨らんで威嚇してくる。 そのまま体当たりをしてくるのを避けて赤ちゃんれいむの頭上に腕を動かす。 「ゆゆ!?あかちゃんはやめてね!」 「かわりにまりさたちとしょうぶしてね!」 「あかちゃんはやくこっちにきてね!」 だがもう遅い。俺は掴んでいた小石を赤ちゃんの上に落とす。 「ゆ゙べべべっ・・・」 悲鳴を言っていた赤ちゃんも小石に埋まって見えなくなってしまった。 「ぎゃあああれいむのいもうとがあああああ!」 「ゆ!まだたすかるよ!ゆっくりこいしをどけてね!」 赤ちゃんゆっくりに落とした小石は頭上すれすれからだったので餡子を出していない。 それに気づいたまりさはれいむ達に声をかけ小石を取り除き始める。 れいむたちも小石を取り除き始めたので静かになった。 俺はと言うと小石を回収している。まだ使うからな。 とうとう赤ちゃんゆっくりの顔が見えた。 光が来たときうれしそうだった顔はたちまち涙を溜め始める。 「ゆうううごわがっだよおおおおおお!」 「もうだいじょうぶだからね!」 「あかちゃんはそこでゆっくりしててね!」 そういって周りの石も取り除き始める子ゆっくり。 それからしばらくして全部の小石を取り去った。 「おにーさんあかちゃんにらんぼうしないでね!」 「そうだよ!あかちゃんがかわいそうだよ!」 「先に仕掛けたのはお前達じゃないか。」 「ゆぅぅぅぅ・・・やるならまりさたちでね!」 「そうだよ!あかちゃんをねらうなんてひきょうだよ!」 「じゃあまりさにやろう。」 「ゆっ?」 そう言って今度は小石をまりさに落とした。 量を増やしたので赤ちゃんのように全部埋まる。 今度はまりさを助ける版だ。文句もそこそこにまりさを掘り出していく。 「おー赤ちゃんもがんばってるね。」 「うるさいよ!おにーさんはやくまりさをたすけてね!」 「君達は俺より強いんだろ?それなのに俺に頼っちゃだめじゃないか。」 「ゆうううう!じゃあ静かにしててね!」 そんなやり取りを繰り返しながらまりさを掘り出す。 まりさを掘り出したら同じようにれいむも埋めてやった。 「ゆぅ・・・おもがっだあああああ!」 「おに゙いさんも゙うやめ゙でえええええ!」 これ以上やると餡子が漏れそうだから止めてやる。 動かない俺を見て、安心したのか赤ちゃんを護るように集まる子ゆっくり。 「おにーさんはそこでゆっくりしていってね!」 小石で汚れた体を新聞に体を擦り付けたり、舐めあったりして汚れを取る。 しかし、全員分やるのを待つと昼になってしまう。 「おい、これで体綺麗にしろよ。」 「ゆゆっ?」 子ゆっくりの前に置いてやったのはお湯の入った皿だ。 ゆっくりは体の性質上、水を嫌うように見えるが汚れを取るためむしろよく水に入る。 泳げないゆっくりは沈んで水を飲みすぎて溶けるが、外皮は水に濡れても大丈夫である。 もちろん子ゆっくりも水浴びは好きなので仲良く一緒に飛び込んだ。 「ゆっくりし・・・あづいいいいいいい!」 「ここじゃゆっくりでぎないいいいい!」 「ゆぅうういちゃいよおおおおお!」 「だいじょうぶだよ!しばらくしたらなおるからね!」 はいってゆっくりするつもりだった子ゆっくりは余りの熱さにゆっくり出来なかったようだ。 赤ちゃんゆっくりはそこが赤くはれて涙目だ。火傷ではないがしばらく痛いだろう。 子まりさがそこを舐めてあやしている。子れいむは痛がりながら皿の水を眺める。 「ゆゆ?どーしいてあついのおおおお!」 「まえはいったときにはつめたかったよ!」 「おしおき中にゆっくりできると思ってたのかい?」 「ゆぅぅ・・・おにーさんのせいだね!」 「その通り。どうだすごいだろう?」 「ゆゆゆゆ・・・」 自分達がよく入る水がゆっくり出来ないものに変えられたのを知った子ゆっくりは眉間を寄せながら俺を睨む。 しかし、どうやって水が熱くなったのか分からない子ゆっくりは俺の力だと思ってさっきまでの用に歯向かう気はないようだ。 なべに入れて火で熱しただけなんだけどね。 怯えを含みだした子ゆっくりにどうしてお仕置きされているのかをもう一度教える。 「どうだ?人のものをとっちゃダメって理解できたか?」 「わかったけどそれじゃゆっくりできないよ!」 「そーだよ!それにうめられてこわかったよ!」 「おみずもあつかったよ!あかちゃんがけがしちゃった!」 「ゆっくちしたいよ!」 どうやら理解はしたが納得できないようだ。 すこしやりすぎたか。まぁもう少しで親が来るだろう。 それまでもう少し遊んでやることにした。 「じゃじゃーん。」 「ゆ?」 取り出したのは孫の手。背中を掻くときに重宝する棒だ。 「へんなかたちー!」 「おにーさんのてみたいだね!」 「そんなのこわくないよ!」 「ゆっゆっ!」 見たこともない棒を持った俺の周りを跳ねて思ったことを口にする子ゆっくりたち。 赤ちゃんゆっくりはまだ底が痛いのかすこし這ったりしている。 まずは赤ちゃんゆっくりからだな。 俺は孫の手を赤ちゃんを潰さないように圧し付けた。 「ゆびゅ!」 「れいむのあかぢゃんがああああああ!」 赤ちゃんの叫び声に気づいたれいむが一番に赤ちゃんに近づく。遅れて他のれいむとまりさもれいむを追う。 「ゆぎゅぅ・・・」 「もうだいじょうぶだよ!すぐにとってあげるからね!」 「ゆぐぐぐ・・・おもいいいい!」 「あかちゃんのためにゆっくりがんばってね!」 赤ちゃんの上から孫の手をどけようと咥えたり押したりとがんばる子ゆっくり。 だが子ゆっくりぐらいの力ならなんとか耐えれる。 孫の手をすこし動かしてやると「ゆぎゅ!」とか「ゆびゅ!」とか音が出るので面白い。 「おにーさんもうやてね!このままじゃあかちゃんがしんじゃうよ!」 「いじわるしないでね!やめてあげてね!」 「じゃあ次はおまえな。」 「でじゃびゅ!」 小石のときのように別のゆっくりも押さえつけていく。 今度はこっちに向かって体当たりしてくるのでデコピンで打ち落とす。 そんなやりとりを繰り返してるとうーぱっくが帰ってきた。 「うー!うー!」 「ありがとう。これはお代だ。」 「うー☆」 連れてきてくれたお礼に野菜をいくつか入れてやる。 飛び立ったうーぱっくのあとに残ったのは親と思われるゆっくりまりさだ。 子ゆっくりに向かう親まりさ。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「おどおおおちゃあああん!」 「ゆっぐりでぎながっだよおおおお!」 「ゆぅううううううう!」 「ゆっくちちていっちぇね!」 いきなり現れた親ゆっくりに向かって跳ねていく子ゆっくり。 さんざん遊んであげたからみんな涙目で喜んでいる。 そして、感動の対面のように親ゆっくりに飛び込む子ゆっくりを親ゆっくりはよけた。 「ゆびゅ!」 親が受け止めてくれると信じてた子ゆっくりはそろって地面に顔を打ち付ける。 「どおしてにんげんのさとにいったの!」 「ゆゆゆ!だっておいしいものが・・・」 「ひとのものをとっちゃだめっていってるでしょ!おぼえてなかったの!」 「ゆゆっ!ちゃんとおぼえてたよ!」 「じゃあやっちゃだめでしょ!あかちゃんがまねしちゃったじゃない!」 「ゆぅ・・・」 おー、怒られてる怒られてる。 説教はしばらく続きそうだな。今のうちに昼ごはんを食べることにするか。 親ゆっくりの後ろで昼用に作ったおにぎりをほおばる。 子ゆっくりも気づいたのか、こちらを見て涎をだしてる。 親ゆっくりの説教もどこ吹く風だ。 「ゆっ!ちゃんときいてるの!」 「ゆゆ!ちゃんときいてるよ!」 親ゆっくりにあわてて反応してるのが面白い。 傍目からも聞いていないのが分かるぐらいにおにぎりを見つめている子ゆっくり達。 遊びつかれてお腹が空いているのだろう。 そんなことは知らない親ゆっくりは怒りゲージが上がりまくりだ。 俺が最後のおにぎりを食べ終わる頃には、 「どお゙じでぎがな゙い゙の゜おおおおおおお!」 「おがあしゃんごめんなさいいいいいい!」 と、泣きながら子ゆっくりに体当たりしだした。 子供よりも大きい親ゆっくりの体当たりは強烈だ。 子供達は吹き飛ばされながら必死に許しを請う。 泣きながら説教を始めた親ゆっくりの話を今度はちゃんと聞いているのだろう。 子ゆっくりは涙を目に浮かべながら顔を俯けていた。 お茶を飲み一服していると説教が親ゆっくりがやってきた。 「おにーさんまりさのこどもがわるさをしました。ごめんなさい!」 「こっちはすっきりできたからもういいよ。」 「ううん。だめだよ!ちゃんととったぶんはたらくよ!」 「そうか、じゃあ一緒に畑仕事をしてもらおうか!」 「ゆっくりがんばるよ!」 昼からはゆっくり家族ともに畑仕事だ。 といってもゆっくりではやることが限られるので、とりあえず雑草を抜いてもらった。 俺の説明を聞いた親ゆっくりの指導のもの雑草を食べていく子ゆっくり達。 さっきまで何も食べていなかったのでむしゃむしゃと雑草を食べていく。 たまに野菜に手を出そうとする子ゆっくりもいたが、すぐに親ゆっくりの体当たりを受けて雑草に戻っていった。 雑草をあらかた取ると次は水遣りだ。 井戸水を俺がくみ上げてやりゆっくりが水を口に含みたぷんたぷんと野菜まで運ぶ。 野菜の根元に水をかけてまた戻ってくるの繰り返し。 途中で子れいむ同士がどれだけ水を含めるか競争しだして片方が崩れかけたので日にたっぷり照らされた石の上に置いて乾かしてやる。 じゅううううとおいしいそうな音を立てながら乾くゆっくりを放置して次の野菜の収穫に向かう。 一通り見回り取れそうな野菜を確認すると鋏を入れていく。 取れた野菜はゆっくりが乗せている箱の中に。 虫食いなどを確認しながら手際よく進める。 しばらくすると、 「おにいさんおも゙ぃ・・・」 「ゆぎゅうう・・・」 箱にいっぱいになる前にゆっくりがつぶれてしまいそうになっていた。 重くなると畑の外にある箱に移すようにと言って作業を続ける。 井戸近くで「あづいいいいいいい!」と言う叫び声が聞こえたが無視だ。 しばらくすると転げまわったのか泥だらけになった子れいむ戻ってきた。 もう動いても大丈夫なようだ。 そんなこんなで畑作業を夕暮れまで続けた。 途中で虫を追いかけた赤ちゃんゆっくりが穴にはまったり、用水路で帽子を洗っていたまりさが帽子を流されたりしたので途中から手伝いとはいえなくなっていたがそれでもいないよりははかどった。 井戸水で体を洗っているゆっくり家族のうち親ゆっくりだけを呼び出す。 「今日は良くがんばったな。」 「ゆっくりがんばったよ!これでまりさのこどもたちゆるしてくれるよね!」 「あぁ。ついでにこれもやろう。」 「ゆゆっ!おにーさんいいの!?」 「あぁお前は何もしてないからな。その分のお礼だ。これで今から餌取りに行かなくていいだろう。」 「おにーさんありがとう!」 俺が渡したのは収穫のときに虫食いがあったりで売れないものだ。 人は食べないだろうがゆっくりなら食べる。 巣にもどってから見せるようにと帽子の中に隠してやる。 洗い終わった子ゆっくりがやってきて、 「おにーさんやさいとってごめんなさい!」 「もうしません!」 「つぎからはきをつけるね!」 「ちがうところでゆっくちするよ!」 そうやって俺に謝って帰っていった。 これでもう野菜はとらないだろう。今回のことは十分記憶に残ったはずだ。 こうやって人里に入った子ゆっくりに人の強さを覚えこませてきた結果ゆっくりは人里で物を取ることはなくなった。 かといってゆっくりが人里に下りてこないわけではなく、先ほどのように人を手伝ったりして食べ物を貰ったりしている。 人とゆっくりは今ではそれなりにゆっくりと生活している。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/simyukkuri/pages/16.html
ゆっくりの種類について
https://w.atwiki.jp/saikyoumousou5/pages/2832.html
【作品名】SIMPLE2000シリーズ THE変態(18禁) 【名前】パンツマン 【属性】変質者 【大きさ】成人男性並 【攻撃力】どんなやつでも一撃で倒してしまう 【防御力】成人男性並 【素早さ】成人男性並 【特殊能力】パンツの舞:女性ものの下着をばらまくことで、あらゆる男性キャラの動きを封じる。 【長所】パンツをこよなく愛する 【短所】変態 ◆考察記録--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 956 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/11(月) 21 38 37 パンツマンは宇宙破壊の壁あたりか? ただあの辺は性別が無いからもう少し下がるか。 957 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/11(月) 21 58 21 攻撃力だけやたら高くて他はフツーなんだよな パソツ あと特殊能力は男性キャラでもゲイとかには通用するのか? 974 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/12(火) 07 57 00 957 あらゆるって書いてるし、効いちゃっていいんじゃね? 980 名前:格無しさん 投稿日:2006/09/12(火) 15 56 16 パンツマン考察。 一撃で死ぬとあるので触れれば即死扱い。 パンツの舞の扱いは 974、 フラッシュ以下は大丈夫だと思うのでそれの上から ○バンバラバンバン 目くらまししてもパンツぐらいばら撒ける。さわって勝ち。 ○信念さん パンツばら撒き接触勝ち。 ○小渕恵三 電話に数秒かかるならパンツばら撒きの方が早いだろう。勝ち。 ×水瀬歩 女だからパンツが効かない。転ばされ続けて負け。 ○メガゴキブリ パンツは効かないだろうが、首に噛み付いたときにカウンターできるだろう。勝ち ○冷蔵子 接触勝ち ○オルチスチュリサントヒーナム 機雷爆発の前に接触勝ち。 ×本庄真実 見えないし、パンツも効かん封印負け ○*2花井三尉&素浪人の拳 パンツばら撒き接触勝ち ×幻想を打ち滅ぼす者 凡人になって負け ○まけぼの パンツばら撒き接触勝ち ×無防備マン 特殊能力効かんし、空とばれたら触れられない。説得負け。 ×愛理姫 ナカムラに瞬殺されるだろう。負け。 ○小山田鉄心 パンツばら撒き接触勝ち。 ○旅をする釣り人 パンツばら撒き接触勝ち ○お坊さん 物を投げる時にパンツを見てしまう。接触勝ち。 ○10メートルおじさん パンツばら撒き接触勝ち。 ○肉弾戦マン パンツばら撒き接触勝ち。 ×まい 遠距離攻撃負け。 ×風祭 幸一 天狗なんでパンツ効かんだろう、剛速球負け。 ×李 舜 パンツばら撒く時間無いだろうし、あくまでこっちからさわりにいく必要があるからアッパー負け。 ×キリン 毒負け 拳銃の壁直下。
https://w.atwiki.jp/yukkuri/pages/556.html
各キャラ紹介文 プチゆっくり ここは ちいさな かわいらしい プチゆっくり たち を ほかんする ページ すれを やさしく いたわる しょうえね せっけい だよ! ゆっくり かわいがってあげてね!!! _人人人人人人人人人人_ _,,_ > ゆっくりしていってね! < -'' \ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、 . rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、 !イ´,'イ ノヒソ _ ヒンY.i ! /ヒン__ ヒン)| i、| ( ,ハ" ヽノ ノ人 (" ヽノ " []ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ ー―――'レル' _,,_ -'' \ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、ノ rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、!イ´,'イ ノr=- r=ァY.i ! /r=- r=ァ | i、| これで満足か? ( ,ハ" ー=‐' "ノ人 (" ー=‐' "[]ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ `ー―――'レル' +プ.プチゆっくり1 プ.プチゆっくり1 ■プチゆっくり ■おお、こわいこわい ■いっしょに泣くプチゆっくり ■プチゆっくりのむーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!! ■ぷち霊夢とタイ焼き ■就寝 ■泣く ■怒る ■笑顔 ■ウインク ■キモんげ ■みんなで就寝 ■みんなのふれあい ■なめなめ ■KEEP OUT ■プチゆっくりとタイ焼き ■横取り ■横取り その2 ■横取り その3 ■グレたプチゆっくり霊夢 ■レミリアとプチゆっくり ■2段ゆっくり ■プチアリス ■ヲタ ■プチプリズムリバー三姉妹 ■三原則 ■愛娘 ■特訓 +チ.プチゆっくり2 チ.プチゆっくり2 ■縮小版 ■縮小版ブラック ■ミニ ■プチ秋姉妹 ■ミニキャラ姉妹 ■MT姉妹 ■マッスル・トレーサー ■プチゆっくりVSにちょり ■新・クリーチャー ■プチ鈴木山蝶子 ■プチリリー ■プチレミリア ■柱の男 ■Myぶーむ ■八頭身 ■ゲラゲラゲラ ■どんな気持ち? ■小尻 ■箕条晶 ■縮小版お燐&お空 +ゆ.プチゆっくり3 ゆ.プチゆっくり3 ■ペルソナ3 ■饅頭ライダー ■やわらか戦車 ■エビフライ ■スイーツ ■合体 ■いっぱい食べて大きくなりました ■車の代わり ■静葉舗装 ■草むしり ■ぃゃゃゎ(ボコスレより) ■スザク ■ルルーシュ ■月光蝶 ■プチパチュリー ■ハト帽子 ■静葉逮捕 ■縮小版みすちー ■一緒にお菓子を食べませんか? ■アンパンマン ■聖剣伝説 ■車のオモチャ ■餅!? ■ロックマン ■ミニ姉妹でゲラゲラゲラ +っ.プチゆっくり4 っ.プチゆっくり4 ■ちび橙にデレデレな藍しゃま ■プチルーミア ■お断りします ■媚びるプチ秋姉妹 ■プチみすちー ■プチ橙 ■ドス黒い感情 ■マトリックス ■魔理沙の独占 ■弾幕はパワー ■うるさい黙れ ■パン ■ののワさん ■首輪付き ■松岡修造 ■ょぅι゛ょ(全部小文字で会話するスレ) ■0080 ■全員集合 ■ちびゆっくり ■プチリグル ■チョコボみすちー ■アーマード・コア ■北斗の拳 ■グスタフVSトキ ■クリスマス ■プチヤマメ ■捕まった宇宙人 ■八頭身風 +く.プチゆっくり5 く.プチゆっくり5 ■おうちができたよ!!! ■ゆっくり育ってね!!!○グロウアップ ■行け!我が眷族達 ■ちびゆっくりのごはんとり ■ヴィクセン ■フォックスアイ ■ゆっくり魔理沙と霊夢 ■昇龍拳 ■チャーハンつくるよ! ■土曜夜の龍魚の怒り ■穣子とネタ帳 ■プチゆっくりプレゼント ■ミニ着ぐるみさくや ■プチ大ちゃん ■プチリリー ■プチ映姫 ■キャプ翼体型閻魔○こう見えた ■プチ小町 ■プチ映姫とプチ小町 ■プチパルスィ ■プチ萃香とプチ勇儀 ■プチ綿月姉妹 ■プチ秋姉妹とプチ綿月姉妹 +り.プチゆっくり6 り.プチゆっくり6 ■縮小版咲夜さん ■さいたま ■プチきめぇ丸 ■プチ咲夜 ■幽香さんと天子 ■プチお空とお燐 ■プチ古明地姉妹 ■プチさとり一家 ■東方風神録セット ■東方地霊殿セット ■東方永夜抄セット ■東方緋想天セット ■静HARD ■プチ神奈子 ■プチ諏訪子 ■縮小したら許されるとでも思ったか? ■ソッコーマン ■プチパチュリー ■プチ荒ぶるグリコのポーズ ■プチ荒ぶる秋のポーズ ■穣子が拡声器 ■ケロケロスワッチ ■プチ藍 ■温泉プチルーミア +も.プチゆっくり7 も.プチゆっくり7 ■フィーバータイム終了のお知らせ ■プチナズーリン ■プチ小傘 ■プチ一輪&雲山 ■プチブロントさん完全版 ■うまか姉妹 ■プチ幽々子 ■プチヨコサクさん ■どどんまい ■格の違い ■イモウマ状態 ■プチ白蓮 ■プチ寅丸 ■プチ村紗 ■プチぬえ ■東方星蓮船セット ■プラモデル ■流石の私もそれは引くわ ■ミニミニ魔理沙 ■AA表示環境チェック +ゆ.プチゆっくり8 ゆ.プチゆっくり8 ■ミニミニ魔理沙とミニミニ霊夢 ■霊夢の私服 ■体育座り ■星空 ■ダブル魔理沙でゲラゲラゲラ ■可動船長ムラサ ■落ち着け永江 ■雨宿り ■ごろ寝 ■溢れ出る親父臭 ■扇風機 ■Ex静葉 ■タクシー ■ちいさなてるよ ■ゲラゲラ穣子 ■サッカー ■モンスターエンジン ■たわしずはストラップ ■というお話だったのサ ■ドラグノフ ■自動的にHARDする銅像 ■タモリア ■秋魔超神 ■支援ジャー ■プチ三妖精 ■さよなら三月また来てサニー ■ゆったり ■こいし・てるよ ■でかピース ■卓上妖夢 ■お座りうつほ ■立ち上がりうつほ ■諏訪子熟考 ■プチリリーとごじゃえもん帽 各キャラ紹介文 プチゆっくり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/825.html
ゆっくりマウンテン 以前書いた『ゆっくり焼き土下座』から派生した話ですが、別に読んでなくても大丈夫です。多分。 虐待成分薄め。制裁成分高め? むしろ因果応報系。 終盤、一部パロディを含みます。 ↓それでもよろしければ、どうぞ。 ここは地獄の一丁目……ではなく、地獄でも端の端に位置する場所である。 そこに、死んだゆっくりの魂が集められる、ゆっくりマウンテンがある。 ゆっくり達はこの山を登ることで己の罪を清算し、再び蘇ることを許されるのだ。 ゆっくりマウンテン、山頂。 ここには大きな光の球が浮かんでいる。この中に飛び込むことで、ゆっくりは転生できるのだ。 「ゆっ! やっとついたよ!」 「がんばったねれいむ! らいせでも、まりさといっしょにいてね!」 「いっしょにゆっくりしていってね!」 生前からつがいであったれいむとまりさが、光の中に飛び込み、そして消えた。 罪の清算を終えた二匹は、再びゆっくりとして生まれ変わることを許されるであろう。 「ゆっくりしていってね!」 また他のゆっくりまりさが光に飛び込む。だがそのゆっくりの魂は他と違い、光の球よりさらに上方へ上っていく。 ゆっくりには滅多にいないことだが、生前、悪行より善行を多く積んだゆっくりは、ゆっくり以外に転生することを許されるのだ。 このまりさは来世では、ゆっくりよりもっとマシな畜獣として生まれ変わることだろう。 光に飛び込むゆっくり達には、疲労の表情もあるが、そのどれもが未来への希望へ満ち溢れている。 「らいせもゆっくりしていってね!」 そのとおりになるとは限らないが。 ゆっくりマウンテン、九合目。 この辺りともなれば、目前の安寧を目指し、ゆっくり達は最後の力を振り絞って山を駆け上がっていく。 「ゆっくりはやくのぼるよ!」 「もうすぐちょうじょうだよ! ずっとゆっくりできるよ!」 「みんながんばろうね!」 苦楽を共にした仲間を励ましあいながら、ゆっくり達はせっせと登っていく。 そんな中、一匹の幼いゆっくりまりさが他のゆっくりと共に駆けていた。 「ゆっくりうまれかわって、またみんなといっしょにゆっくりするよ!」 他のゆっくりの半分程度の大きさしかないというのに、しかしその速度は成体ゆっくりと全く同じだ。 ゆっくりマウンテンでは、全てのゆっくりの身体能力は同じになる。 生まれや育ちによって、死後の贖罪に差があってはならぬとの閻魔の配慮である。 どのゆっくりも、ひとたび跳躍すれば同じ距離だけ跳び、同じ分だけ疲労する。赤子でもドス級でもそれは変わらない。 よってこのゆっくりマウンテンを登るのに必要なのは、ただひたすら前に進もうとする意気である。 ゆっくりマウンテン、八合目。 だがどのような境遇であろうと、怠けるものというのは確実に存在する。 「もうすぐちょうじょうだね! でもあせらずゆっくりしようね!」 「ゆっくりしちぇいっちぇね!」 ここにいるのは、五匹のれいむの姉妹である。どれも幼く、うち二匹はまだ生まれたてである。 巣の中で育ち、自然の厳しさを知る前に死んでしまったこの姉妹は、どうにも甘えが抜けていないのだ。 頂上まで上れば転生できる、というのは分かる。だが五匹は、そうまで頑張る必要もないではないか、と思っていた。 ゆっくりマウンテンにいる魂たちは、日中と夜は空腹に苛まれるが、翌朝になれば満腹感を得、体力が回復するのだ。 他のゆっくりに襲われて殺されることもないため、ある意味、最高にゆっくりできる環境だとも言えよう。 そんな風に思っている姉妹達は、転生することより、ここでゆっくりすることを選んだ。 焦ることはない。ゆっくり登っていけばいい。それに、もう頂上は目の前なのだ。生き返りたくなったときに急げばいい──そう考えたのだ。 だが姉妹達は、まだ気づいていない。 ゆっくりマウンテンの地面は、実は時間経過と共に徐々に下がっていく。 全方向に伸びる、下りエスカレーターのようなものである。 その速度は実にゆっくりとしていて、およそ七日で一合分ほど降下する。 ゆっくりの速度なら一日一合は登れるから、真面目に登っていけばあまり気にする必要のないことではあるが── 「ゆ~……ゆ~……」 「みんなあんなにいそがなくてもいいのにね~」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってよー!」 姉妹達がくつろぎ始めて、既に四日。 自分達がどんどん山頂から遠ざかっていることに気づくのに、あと何日かかるだろうか。 ゆっくりマウンテン、七合目。 「ぱちゅりー! がんばって!」 「むっきゅ、むっきゅ、むっきゅ……」 一所懸命に山肌を登るぱちゅりーを、それより少し上にいるありすが励ましていた。 ぱちゅりーの速度は、他のゆっくりに比べて明らかに遅い。 身体能力は横並びになっていても、しかし、生まれつき虚弱なぱちゅりーは、突然得た健常な肉体を使いこなせないのだ。 そのため、どうしても他のゆっくりに比べて遅れがちになってしまう。 こればかりは、いかに閻魔と言えどどうしようもなかった。ぱちゅりーという種そのものの業であるが故だ。 ありすの親友であったこのぱちゅりーにしても、それは同じだった。 「むきゅ~、わたしはからだのつかいかたをおぼえてからおいかけるから、ありすはさきにいってね」 だからそう言って、ありすを先に行かせようとしたのだが、ありすはそれを拒んだ。 説得の末、ありすはぱちゅりーより先に行くことを一度は受け入れたものの、結局十メートルほど進んだところで止まってしまった。 「ぱちゅりー! やっぱりぱちゅりーといっしょにいたいわ! ありすはぱちゅりーといっしょじゃなきゃだめなの!」 そう告げる友の笑顔に、ぱちゅりーは勇気付けられた。そして一刻も早く、ありすと一緒に生まれ変わりたいと思った。 ありすは、声を張ってぱちゅりーを応援している。ぱちゅりーもそれに応えようとしている。 ところで、そんなに友人が大事なら戻ってやればいいと思われるかもしれないが、しかしここにもこのゆっくりマウンテンのルールが存在している。 ゆっくり達は山を登ることはできても、下ることはできない。 何故ならば、ゆっくりが今いる高さが、ゆっくりの罪の少なさを測る指針そのものであるからだ。 登った分だけ罪を清算したことになるのだから、捨てた罪の場所に戻ることはもうできない。 だがもし、ゆっくりがこの山を下ることがあるとすれば── 「のろまなぱちゅりーはじゃまだよ! ゆっくりどいてね!」 「むきゅっ!?」 大急ぎで駆け上がるれいむが、進路上にいたぱちゅりーを突き飛ばした。 「ぱちゅりぃー!?」 ありすが叫ぶ。突き飛ばされたぱちゅりーが転び、山肌にその身体を投げ出す。 転がり落ちてしまう──そう見えたその瞬間、不思議なことが起こった。 「「「────────!!??」」」 ぐにゃりと空間が歪んだかと思うと、ぱちゅりーとれいむの位置関係が入れ替わった。 突き飛ばされたはずのぱちゅりーは平然と元の位置におり、逆にれいむが突き飛ばされたかのような格好になっている。 「ゆゆゆゆゆー!?」 何が起きたか理解できないまま、れいむは山肌を勢い良く転がり落ちていく。 ──ゆっくりがこの山を下ることがあるとすれば、それはこの山で新たに罪を重ねた場合のみ。 自分のことを優先し、犯さなくてもいい罪を犯したれいむは、その罪の分だけ山を転がり落ちていく。 ぱちゅりーとありすは唖然とした表情でそれを見送ったが、やがて気を取り直し、二人一緒に山を登り始めた。 ゆっくりマウンテン、六合目。 「ゆゆゆゆゆーーーーー!!!!」 先程のれいむが、まだ山を転がり落ちている。 「ぢぢぢぢぢぢぢんぼーーーー!!!」 「わからないよー! わからないよぉぉぉ!」 「「「「ゆ゛あ゛あああああああああああんん!!!」」」」 それとは対照的に──まるで落下の逆回しを見ているかのような速度で、山を登っていく集団があった。 二十匹ほどからなるこの集団は、かつて人里を襲い食物を奪ったゆっくり達である。 本来なら三合目からの登山を言い渡されるほどの罪であるが、しかし反省が認められ五合目からの登山となった。 その五合目に来たのが、今から六時間ほど前である。 ゆっくりが一日のうち、十二時間を行動し、十二時間を眠るのであれば、このゆっくり達はおよそ倍の速度で一合分を走破したことになる。 それだけ急がなければならない理由が、このゆっくり達にはあったのだ。 見れば六合目にいるゆっくり達は、どれも大体同じような顔をして、大急ぎで登っていっている。 「「「「「ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」 叫ぶ内容も、また同じであった。 ゆっくりマウンテン、五合目。 「ゆべっぶ!!」 れいむの転落も、ようやく終わった。 「ゆゆ、いたいよぉ……」 一体何が起きたのかれいむは理解できていなかったが、確かなのは、転生により時間がかかるということだけだった。 めげずに頂上を目指そうと顔を上げたとき、 「──ゆ?」 それが、いや、それらが目に入った。 「どうも」 「清く正しい」 「きめぇ丸です」 「ゆ゛ぅえ゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」 れいむの絶叫に合わせて、きめぇ丸達の首がヒュンヒュンヒュンと風を切って動く。その光景に、れいむはさらに怖気を走らせる。 気づけばれいむは、十数匹のきめぇ丸の群れに取り囲まれていた。 「おお、このれいむは上から落ちてきたようですね」 「おお、無様無様。何か馬鹿なことをしでかしたんでしょうねぇ? ですよねぇ?」 「いやいや全く、ああ勿体ない勿体ない。自分から転生の機会を遠ざけるなんて、なんてお馬鹿さん」 「おお、お馬鹿お馬鹿」 普段なら激昂に値するであろう嘲笑にも、れいむはろくに反応を返せない。 今更説明することでもないが、ゆっくり達にとってきめぇ丸は天敵である。 そこにいるだけでゆっくりできない上に、自力では追い払えない程度には強い相手だからだ。 そのきめぇ丸に取り囲まれているこの状況は、れいむにとって果てしなく地獄だった。 最初三合目から登山をスタートしたれいむは、既に一度この地域を通り抜けているが、それでも恐怖が抜けるわけではない。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆっくりでぎないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 いっそ哀れなほどに悲壮な叫び声を上げて、一目散にれいむは逃げ去った。 「フフフ、ゆっくりできないですか、ですよねー」 それを見て、きめぇ丸達は楽しそうにニヤニヤと笑う。 このゆっくりマウンテンにいる以上、きめぇ丸達も魂のみと化した存在である。 頂上に到達しなければ転生できないことにも代わりはない。 だというのにきめぇ丸達がこんなところにたむろしている理由は、ひとえに「ゆっくりできないゆっくりを見れるから」である。 ここは言わば、ゆっくりの煉獄である。ゆっくりは罪を贖うため、ゆっくりしている訳にはいかないのだ。 それは、ゆっくりをゆっくりさせないことを信条とするきめぇ丸達にとって、ある意味天国のような状況なのである。 そのため、わざわざ生き返ろうとするきめぇ丸は一匹もいない。 これは完全に閻魔の誤算であり、後ほど、知能の高いきめぇ丸については通常の生物と同様の裁きを行うように変更された。 しかし既にゆっくりマウンテンに放り込まれていたきめぇ丸については、もうどうしようもないのだ。 最近では、「これはこれで罰として機能しているから、別にいいか」と閻魔も思い始めているようである。 ゆっくりマウンテン、四合目。 ここから下は、上よりも地面に対するゆっくりの割合が高い。 というのも、性格の悪いゆっくりは他人を押しのけて上に行こうとするため、新たな罪が堆積し続け、いつまで経っても上に登れないのだ。 悪循環という言葉のいい例である。 「じゃおっ、じゃおっ、じゃおっ」 そんな中を、一匹のめーりんが登っている。 基本的に善良であるめーりんが、何故このような場所にいるのかと言えば、ここよりもっと上で他のゆっくりの手助けをしてしまったからだ。 ゆっくりマウンテンは、己の力のみで登らなくてはならない。 他者を助けるという行為は、一見すれば善行であるが、それは助けられた者から努力の機会を奪う『甘やかし』である。 そのため、最初七合目あたりにいためーりんは、まず五合目まで転げ落ちてしまった。 さらに五合目で、きめぇ丸に怯えるゆっくり達を見て、思わずきめぇ丸に体当たりを敢行してしまったのである。 それもまた罪とみなされ、めーりんは更なる転落を余儀なくされた。 しかしそんなめーりんを、体当たりされたきめぇ丸が哀れんだため、一合転落した辺りで止まることができた。 「じゃおっ、じゃおっ、じゃおっ」 めーりんはそんな境遇に落胆することなく、己の行いに後悔することもなく、ただひたすらに上を目指し続ける。 「ゆっ! くずめーりんがいるぜ!」 だがそんなめーりんを、まりさ・れいむ・ありす・ぱちゅりーの四匹が見咎めた。 「じゃおっ!?」 「おいくずめーりん! おまえなんかがこんなところでゆっくりしていていいわけはないんだぜ!」 「おちてにどともどってこないでね!」 「このいなかもの!」 「むっぎゅーん! ゆっくりしね!」 四匹がいっせいに跳びかかる。 「じゃおっ!? じゃお、じゃおー!」 めーりんは必死な顔で四匹を止めようとするが、四匹はそれをめーりんの怯えと受け取った。 そして、 「「「「ゆ????」」」」 四匹がめーりんに衝突したかに思えた瞬間、四匹は何故かひっくり返って岩肌に投げ出されていた。 「「「「ゆぅぅぅぅぅうぅぅうううーーーーーー!!!!????」」」」 自分が急ぐという理由でもなく、ただ気に喰わないからという理由でめーりんを排除しようとした四匹は、凄まじい勢いで転落していく。 この速度では、一合目付近まで落ちてしまうことは避けられないであろう。 「じゃおーん……」 めーりんは悲しげに啼いた。このようなこと、既に一度や二度ではすまないほど起きている。 七合目付近のゆっくりは既に改心していたり、この山の仕組みを理解している者が多いため、めーりんに余計な危害を加えたりしない。 だがこの四合目付近のゆっくりは、めーりんを見かけるたびに排除しようとし──そしてさらに落ちていくのだ。 無論、それはそのゆっくり達が悪いのだから、めーりんが気にするようなことではない。 だが自分がここにいることそれ自体が、ゆっくりに罪を重ねさせている原因であることもまた確かなのだ。 「じゃおっ、じゃおっ、じゃおっ……」 だからめーりんは、一刻も早くこの場を離れようと、山を登り続けるのだった。 ゆっくりマウンテン、三合目。 「みんな! ゆっくりがんばってのぼっていくよー!」 「ゆっ! どすについていくよ!」 「がんばろうね!」 ここには、ドスまりさとその周りにいるたくさんのゆっくりの姿を見ることができる。 雪崩によって全滅したある群れが、そのまま閻魔の裁きを受けることになったのだ。 しかしそこで、群れの一部が人里で盗みを働いていた事実が発覚する。 それにより、盗みを働いたゆっくりと、それを看過していたゆっくりは、この三合目まで落とされたのだ。 その事実を知らなかったその他のゆっくり達は、ドスの教えに従い人間に迷惑をかけることなく暮らしていたため、六合目からの登山を許された。 しかしドスまりさは、群れのリーダーでありながらその事実を知らなかったことを咎められ、三合目からの登山となった。 だがドスまりさはその裁きに納得していた。 生前導けなかった群れの仲間を、今ここで導くことが自らの責務と思えたのだ。 「みんな! がんばってね! またみんなでいっしょにゆっくりするよ!」 ドスまりさは皆を励ましながら、同じ速度で登っていく。 速度を落としているのではなく、ドスもまた同じ身体能力に揃えられているからである。 そのため傍目には、体躯に反してひどくのろまであるようにも見えた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ」 群れはそうして、同じ速度でゆっくりと山を登っていたのだが、 「ゆーっ! もうつかれたよ! うごけないよー!」 若いまりさが、地面に突っ伏して疲労を訴えた。 「ゆ! れいむもだよ! もうここでやすもうよ!」 「ゆっくりしようよー!」 それを見て、他の何匹かもまた同様の訴えを起こした。 無論、ただの我が儘である。体力が同じなら、動けなくなるタイミングも同じはずだからだ。 「ゆっ! だめだよ、がんばってのぼって! ちゃんと、みんなでいっしょにゆっくりしなきゃ!」 ドスは動かなくなったゆっくり達を励ますが、皆ふてくされたように動こうとしない。 動かないのは、主に盗みの実行犯や、まだ若く甘えの抜けないゆっくり達であった。 「ゆっ! そうだよ!」 そのうちの一匹が、何か閃いたように身体を起こした。 「どうしたの?」 「どすにのせていってもらえばいいんだよ!」 「ゆ゛っ!?」 うろたえたのはドスまりさである。しかし他の我が儘ゆっくり達はそれに賛同した。 「さすがれいむだよ! あたまいいね!」 「どす! ぼうしのうえにのせてね!」 「のせてね!」 「だだだだだだだめだよぉぉぉぉぉ!!!」 近づいてくるゆっくりから、ドスまりさは必死になって遠ざかる。 そんなことをしたら何が起きるか、歩きながらも周囲のゆっくりを観察していたため、理解しているのだ。 しかし我が儘ゆっくりはそれを知らない。 「どーして!? まえはいつものせてくれたじゃない!」 「けち! どすまりさのけーち!」 「もういいよ! かってにのるよ! ぷんぷん!」 「だめぇーーーー!!!」 ドスまりさの懇願も虚しく、ゆっくり達はいっせいにドスまりさの髪の毛に噛み付き、 「「「「「「ゆぁーーーーーー!!!???」」」」」」 当然のように弾き飛ばされ、山肌を転がっていった。 「だから……だめだっていったのに……」 落ちていく仲間を追いかけることもできず、ドスまりさは悲しげに呟いた。 残った他の仲間達も、同じ表情で見ている。 「むっきゅ、しかたないわ……あのこたちがわるいんだもの……」 「どすがきにすることじゃないよ。だいじょうぶだよ、みんなまたのぼってこれるよ」 「ありがとう……」 群れはしばらく、仲間が転がっていった方向を見ていたが、やがて一匹、また一匹と登山を再開した。 最後にドスまりさが登り始める。後ろ髪を引かれるように、何度も振り返りながら。 ゆっくりマウンテン、二合目。 この辺りともなると、より性格の悪いゆっくりの数が増えてくる。 この山に放り込まれるのは、まだ矯正の見込みがあると見なされたゆっくりばかりだ。 矯正の見込みがないとされたものは、こことは比べ物にならないくらい厳しい罰を受けている。 正しい心と行いを以て山を登るだけで転生できるというのは、ある意味破格の条件であろう。 だが山を下るに従って、悪辣なゆっくりの数は増えてくる。 生前は大きな罪を犯さないまま死んだとしても、それは機会がなかったからで、充分に悪辣なゆっくりというのもこの山には存在する。 ある意味、この山はゆっくりが二度目の生を送る場所なのである。 ただしここは、かつていた場所ほど思い通りにはならない場所なのだが。 「「「「「「ゆべべっ!!!」」」」」」 先程ドスまりさを頼ろうとしたゆっくり達が二合目まで落ちてくる。 「ゆぐぐ~、いたいよ~」 「ゆっぐりでぎながっだぁぁぁ!!!」 顔を打ち付けた痛みにそれぞれが泣き叫ぶ。魂だけでも痛みはあるのだ。 「それもこれも、どすがのせてくれなかったせいだよ!」 一匹のまりさが怒りもあらわにそう口にする。 それを皮切りに、他のゆっくり達もいっせいにかねてからの不満を口にした。 「そうだよ! どすのせいだよ!」 「だいたいまえから、れいむたちになんでもかんでもいいすぎだよ! あれじゃゆっくりできないよ!」 「どすがどしゃくずれにきづけなかったせいで、みんなしんじゃったんだよ!」 「やくたたずのくせにりーだーづらして、ひどいやつだったね!」 「あんなやつ、もういちどしんだほうがいいよ!」 地団太を踏みながら口々にドスまりさの陰口を言うゆっくり達であったが── 「「「「「「ドスまりさは、ゆっくりしね!!!!!!」」」」」」 有無を言わさず、再びゆっくり達は山肌から弾き飛ばされた。 ここでは、閻魔が罪と判断したあらゆる所業は成立しえない。 罪に対する処罰が即座に下り、結果、罪を重ね続けるゆっくりはいつまで経っても山を登りきることができない。 例えば、 「んほぉぉぉぉぉぉぉ!!! すっきりしようねぇ、まりさぁあああああああ!!!」 「やべでぇえええええええええええ!!!」 ここに、まりさをレイプしようとする一匹のありすがいる。 「いぐっ、いぐっ、ずっぎりしぢゃううぅぅぅううう!! ああー! すっき──り?」 「……ゆ?」 今まさにすっきりしようとしたその瞬間、ありすからは快楽の波が消え去り、さらに身体は宙に浮いていた。 そして腹の底から、すっきりできなかったがためのむず痒さがじわじわと這い上がってくる。 「どうじでずっぎりでぎないのぉぉぉぉおぉ!!!???」 姦淫の罪を犯そうとしたありすは、こうしてさらに山を下っていくこととなった。 「ゆっ! ばかなありすなんだぜ! このまりささまをおかそうなんてひゃくねんはやいんだぜ! そこでえいえんにゆっくりしていってね!」 そしてありすの悪口を言ったまりさも、また落ちていった。 ゆっくりマウンテン、一合目。 ここから下は、ゆっくりマウンテンでも一番の混沌と叫びにまみれた場所である。 下から来たれいむが、上のまりさを押しのけようとして落下し。 それを嘲笑うまりさもまた落ちていく。 懲りずに姦淫に耽ろうとするありすも落ちていく。 争うゆっくりを眺め、思わず憎まれ口を叩いたぱちゅりーも落ちていく。 前を行くちぇんに嫉妬して、尻尾に噛みついたみょんも落ちていく。 落ちてきたみょんを口に入れようとしたゆゆこも落ちていく。 寝てばかりいるれてぃは、あと一週間もすればゆゆこと同じ場所まで下っていくだろう。 そしてその行き着く先は── ゆっくりマウンテン、麓。 そこにあるのは平原などではなく、沸騰寸前まで熱されたお汁粉の湖だ。 「ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「あぢゅいよぉぉぉぉぉ!!!」 落ちてきたゆっくりが湖に落ち、叫びを上げる。 だが岸に近い場所に落ちたゆっくりはまだいい。なんとか自力で這い上がることができるからだ。 「んほあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 先程二合目から転がり落ちてきたありすは、勢いがつきすぎていたため、水面を跳ねるようにしてより遠い位置に落ちた。 これでは、山に戻ることさえままならない。 「あづいいいいいいい……!」 「だずげでぇええええ……」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 湖は、そんなゆっくり達で満たされている。 夕暮れ時となった今、もはや叫ぶ体力もろくに残っておらず、ゆっくり達はひたすら低い声で喘ぐばかりだ。 顔を上に向けて、茫洋とした表情でただ空を見つめるばかりだ。 だがそんなゆっくり達も、一時的に活力を取り戻す瞬間がある。 ギィ、ギィと船を漕ぐ音が、ゆっくり達の耳に届いた。 「ゆっくりだずげでぇええええええ!!!」 「ごごがらあげでぐだざいいいいい!!!」 「おねがいじばずぅぅぅぅうううう!!!」 口々に、船に向かってゆっくりは叫ぶ。 その小さな船に乗っているのは、櫂を咥えたゆっくりこまちと、どうやって保持しているのか、勺を持ったゆっくりえーきである。 ちなみにこのえーきとこまちも魂だけの存在だが、きめぇ丸と違い、ちゃんと地獄に雇われている身である。 ゆっくりのことはゆっくりに任すのが良いと判断されたためであった。 えーきは叫びに耳を貸さず、湖に浮かんでいるゆっくり達を順に眺めていく。 そして船が、一匹のれいむの前で止まる。 「だずげでぐだざい! おねがいじばずっ!」 「はんせいしたかー?」 「じまじだっ! れいぶがわるがっだでず! もうほがのゆっぐりのじゃまじだりじまぜんっ!」 「んー……」 えーきはしばらくれいむを眺め、そして、 「よいぞっ!」 勺を立てると、その動きに釣られるようにれいむの身体が湖から浮き上がる。 「ありがとぉぉぉお!!!」 れいむは感謝の言葉を述べながら、不思議な光に包まれて、山のほうに飛んでいった。 えーきはそれを見てにっこり頷き、またこまちに指示してお汁粉の湖を渡り始める。 「どうじでれいぶはだずげでぐれないのぉぉぉぉぉ!?」 「いがないでぇえええ!!! だずげでぐだざいいいいい!!!」 「やだぁああああああ!!!」 後ろから放たれる哀願の声にも、えーきは耳を貸さない。 この湖には、えーきとこまちが百八組放たれており、それぞれが閻魔から授かった仕事をこなしていた。 えーきには、閻魔の手によって、他のゆっくりの罪悪感を知る程度の能力が与えられている。 えーきとこまちの仕事は、こうして毎日お汁粉の湖を渡り、きちんと反省したゆっくりに再びチャンスを与えることだ。 なので反省していないゆっくりに欠ける情けなど微塵もないのである。 「どうじであんなれいぶをだずげでまりざはだずげでぐれないのぉぉぉぉ!!?? はやぐだずげろ、ごのばがああああああ!!!」 「…………」 同時に、罰を与える権能も僅かながら与えられている。 こまちの船が、醜い罵声を放ったまりさの前に横付けされる。 えーきはまりさを、何かを見定めているようにじっくり眺めている。 「なにみでるのっ!? はやぐだずげろっ!! だずげないならじねええええ!!」 見ているだけで一向に何も言わない二匹に、まりさは激昂する。 この湖に落ちて、もう二週間以上。既に限界だった。 「だずげろっ! ごのぐずっ! だざいぼうじなんががぶっでぢょうしのっでんじゃねぇえええええ!!!!」 真っ黒な憎悪を込めてまりさが叫んだところで、えーきは告げた。 「 堕とせ 」 その瞳に光はない。 こまちはすぐさま応じた。 咥えていた櫂を高らかに持ち上げると──勢いよくまりさに向かって振り下ろす。 「ゆべぇっ!」 まりさの顔がへこみ、身体が沈む。 それからも立て続けにこまちの櫂が炸裂する。 「ゆべっ! べびっ! びゅッ! びゅっ!」 身体が沈みきり、見えなくなったところで、こまちが櫂に船が傾くほどの力を込める。 しばらくお汁粉の表面はぶくぶくと泡立っていたが、やがてそれも絶えた。 こまちは無言で櫂を引き抜き、再び船を漕ぎ始める。 周囲は、しばし静寂に包まれていた。 ゆっくりマウンテン──マイナス十合目。 「ぶびゃっ!」 お汁粉の湖の底まで沈んだそのまりさは、何故か地面の上に落下した。 湖の下に水底はなく、広い空間が広がっていたのだ。 「ゆぎぎぎ!! あのくそえーき!! ここからもどったら、ゆっくりしかえししてやるぜ!!!」 憎悪も新たに、まりさは猛る。 だがはたと気づく。戻るといっても、ここはどこだ? ──その答えはすぐに与えられた。 「ぶぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「ごぼぼぼぼぼぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「ぎゃっべ、ごべっ、びぎゃっ、っぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!」 絶叫。 空間中に轟く絶望の咆哮。 身を強張らせたまりさが見たのは、そこかしこで繰り広げられるゆっくり達の大虐殺であった。 怖ろしい姿をした鬼達が、金棒や素手でゆっくりを潰して回っている。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」 まりさは思わず後ずさる。だがその背中が、何かにぶつかった。 振り返ると、それは大きな石臼だった。 「アそーれ、アそーれ、アぁどっこいしょー!」 その横では、鬼が巨大な杵を臼に向かって振り下ろしている。 「ゆーゆゆゆーびぇっ! ……ゆーんゆーゆっびゃ! ……ゆゆーゆゆーんぼっ!」 臼の中では、一匹のまりさがひたすら潰されている。 まりさは杵の一撃を受けるたびに餡子をぶちまけて絶命するが、しかし鬼が杵を振り上げるたびに再び蘇る。 潰されるまりさは、何かに取り憑かれたように歌い続けている。その瞳に正気の色はない。 「っこらしょー!」 「ゆんびゃっ!」 一際強く杵を振り下ろしたところで、鬼は一息ついた。 「ハァ、遣り甲斐のねぇ仕事だこと。なんの反応も返さないし。かといって他のも弱っちいしなぁ。 あーあ、人間殺す仕事に戻りてぇ。まだしも、あっちのほうが歯応えあるって話だよ」 ぼやきながらも、再び歌うまりさに向けて杵を振り下ろす仕事を始めようとして、 「ン?」 「あ、あ、あ、あ……」 臼の陰で震えている、別のゆっくりの姿に気づく。 「ンだ、新入りか。おぅい! 新しいのが来たぞー! そっち連れてけー!」 「あいよー!」 別の鬼が、まりさを回収するために足を向けたその直後、 「ゲットだぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!!」 スライディングで割り込んできた人間が、まりさを横から掻っ攫っていく。 「「げぇっ、虐待お兄さん!」」 呼んだ鬼と呼ばれた鬼の声が重なる。 まりさは、立ち上がった虐待お兄さんの顔の高さまで持ち上げられた。 にっこりと虐待お兄さんが笑う。助けてくれた。まりさは一瞬そう思った。 「ゆっくりしていっ」 「 少 林 寺 撲 殺 拳 ! ! ! 」 「でぶぇっ!!??」 直後、まりさは粉砕される。 まりさの意識が途絶え、しかし一秒後には再び元の身体を取り戻していた。 「ゆっ? ゆっ!?」 「フラッシュ・ピストン・マッハパンチ!!!」 「ゆぼぉっ!!!」 戸惑っていると、あまりの速さに十本に分裂した右ストレートが、全方向からまりさを叩き潰す。 「……っぶぁぁぁぁあ!!!??? どうなっでるのぉぉぉぉぉぉ!!!???」 「豪ォォォ熱!!! マシンガンパンチパンチパンチパンチパンチィィィーーーーーー!!!!」 「ぶぎゃべぎぼごばぎゃあああああ!!! ……あ゛あ゛あ゛あ゛!!! どうじでまりざじなないのぉぉぉぉぉ!!!」 「一・撃・必・倒!!! ディバィーンバスタァァァァァァァァ!!!」 「ぼびゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!???」 「T-LINKナッコォ!!!!」 「ちぇ・げばらっ!!」 「ファールコーンパーンチ!!!」 「どぼふ!!!」 「フタエノキワッミ!!! アーーーーーーー!!!」 「ぴぎゃあああああああああああ!!!」 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァアアア!!!!」 「ヤッダーバァァァァア!!!」 ボグシャア、とまりさが地面に落下し、しかし一秒で全ての傷が癒える。 「フゥ……ンッンー、久しぶりだからちょっと殺リすぎちゃったカナッ☆」 実にいい笑顔で汗を拭う虐待お兄さんであったが、たまらないのは鬼達である。 「テメェエエエエ!!! また地獄抜け出してきやがったなあああああ!!!」 「来るなっつってんだろ! 仕事邪魔すんなっつってんだろ!」 「大人しく転生してよぉ! 頼むから!」 生前、あまりに多くのゆっくり(万単位)を殺したお兄さんは、当然のように地獄に落とされたのだが、 「この程度! ゆっくりを虐められない苦しみに比べたら! なんでもないんだよォォォォォォォォォォォ!!!」 と言って、たびたび地獄を抜け出しては、ここ──『ゆっくり専用無間地獄』にやってくるのだ。 ここのゆっくり達は、正気を保ったまま一万回死ぬまで転生することはない。しかし逆に言えば、その間は殺したい放題なのである。 主に直接的手段によってゆっくりを虐待することを好みとしていたこのお兄さんには、まさに天国のような場所である。 が、鬼達にとってはたまったものではない。鬼にもノルマが課せられており、それを達成しなければこの場所を出ることはできないのだ。 ゆっくりの相手など、正直鬼にとっても願い下げなのである。 なので早々に終わらせて早く転属したいのだが、お兄さんに殺された分はカウントされないので、お兄さんがいるとその分転属が遅れるのだ。 「ウルセェ────────!!! ゆっくりがいなきゃどこだって地獄だあああああ!!!」 「逆ギレすんじゃねぇよ! 帰れよ! あと死ねよ!」 「いや殺すッ、ここで殺してやるッ!!! そしてさっさと転生しやがれぇええええええ!!!」 「やってみろ! ことゆっくりに関しては、俺は神にも勝てる自信があるッ!!!」 「ほざけ! ウォォォォォ!!!」 「ぬわりゃあああああああ!!!」 とうとうお兄さんと鬼達が乱闘を始めた。 その足元では、さっきのまりさが逃げ遅れた他のゆっくりと一緒に踏み潰されまくり、既に五十回ほど死んでいる。 「ゆっゆーんゆー、ゆゆっゆーんんー♪」 気の狂ったまりさの歌い声が、阿鼻叫喚の地獄に響いていた。 このようにして、地獄は今日も地獄絵図である。 なお虐待お兄さんは、後日正式に転生し、虐待鬼さんとして新たな生を得たとか得ないとか。 あとがき テラカオス この話は、焼き土下座のときにチラッと出した『ゆっくりマウンテン』の話です。 特に深く考えてたわけじゃなかったんですが、なんの気まぐれか書いてしまいました。 しかしこれ、虐待にも制裁にもなりえない話だなぁ…… 制裁というのは、罪に対して過剰・過激な罰が与えられるくらいが楽しいと勝手に思っています。 ちなみに九合目の子まりさ、六合目の逃げるゆっくりの群れ、無間地獄の歌うまりさは、多分皆さんが想像している通りのゆっくり達です。 あとこの虐待お兄さんの名前はきっとギャクターイ・アニメスキーとかそんなん。 今までに書いたもの ゆっくり実験室 ゆっくり実験室・十面鬼編 ゆっくり焼き土下座(前) ゆっくり焼き土下座(中) ゆっくり焼き土下座(後) シムゆっくりちゅーとりある シムゆっくり仕様書 ゆっくりしていってね! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1351.html
博麗神社の裏で子鬼が寝ていた。 小さな百鬼夜行 伊吹萃香だ。 昨夜も宴会で朝まで飲んでいたようですでに日は真上に昇っている。 「ん~?」 まだまだ寝ていたいのだが騒がしい声に目を覚ます萃香。 見ると目の前には最近幻想郷で大量発生しているゆっくりがたくさんいた。 ゆっくり霊夢に、魔理沙、ちぇぇぇんにみょんの四種類だ。 宴会のために天界から持ち出した桃の余りをそいつらは食していた。 籠に入れておいたのだがこいつらが籠を倒したようで、桃はそこらに散乱してる。 見る限り無傷なものは一つもない。 「あーっ!後で霊夢と一緒に食べようと思ってたのに!」 思わず叫んでしまう。 その声にゆっくりたちが反応する。 「ゆっ、おねえさんゆっくり寝てたね!」「ゆっくりしていってね!!」 「このくだものおいしーよ!!」「おねえさんもゆっくりたべる??」 「ちーんぽっ!」「まだあるよー、わかるよー」 30匹はいるだろうか。それだけの数のゆっくりが一度に話しかけてくるのでうるさいし聞き取れない。 「うるさいねぇ。ま、好きに食べていいよ。どうせすぐに取ってこれるし」 天界には山ほどの桃の木があるのだ。それはもう飽きるほどに。 寝てる間に食べられたのはちょっと癪だけど、わざわざ怒ることもない。 しかしすぐに取ってこれると言う言葉にゆっくりたちは目敏く反応する。 「ゆっくり取ってきてね!!」「むきゅ、ゆっくりまってるね!」 「ゆっくりはやくもってきてね!!」「やさしいおねえさんはゆっくりできるね!」 やはりうるさかった。相手をするのも面倒なので「あー、はいはい」とあしらうとその場を立ち去ろうとした。 その時いつも持ってる瓢箪、酒が無限に湧く瓢箪が手元に無いことに気がついた。 「あれ? どこかにやったかな」 見回すが見つからない。 くるりと回って後ろも見る。あった。 ただし瓢箪の周りにもたくさんのゆっくりが群がっていて 「次はれいむの番だよ!!」「ちがうよ!まりさの番だよ!!」 瓢箪の口から湧く酒を奪い合っていた。中にはすっかり出来上がったものもいて、地面にぺにょーんとだらけたゆっくりもいた。 「そんなとこにあったのか。ほら、返してもらうよ」 萃香は特に気にする様子もないし、特に怒りもしないで瓢箪をゆっくりの群れから取り上げる。 「ゆっ!! つぎはまりさの番だよ! 取らないでね!!」 「ゆっくり返してね!!」「それはゆっくりたちがみつけたものだよ!!」 生意気な事を言ってるけど萃香は無視した。こいつらと問答しても聞かないだろうから。 しかしゆっくり達は続ける。 「ゆっくりできないならそれを置いてでてってね!!」 「ちちちーんぽっ!」「むきゅむきゅむっきゅ~ん!!」 「どろぼうはでてってね!!」 萃香を罵倒しながら体当たりしてくる。ゆっくり達は酔っていて普段よりぷにぷにボディなので衝撃はほぼ0だ。 ここまでされると流石の萃香もいらついた。 なんでただの饅頭如きにこの鬼である私が攻撃を受けてやらないといけないのか。 「いい加減やめなさい。お前たち達が私に敵うわけないよ」 萃香は妖気を発しながら威圧するように話しかける。普通はこれで大抵の妖怪や妖精は震えて逃げ出す。 しかしゆっくりは萃香の想像より遥かに下回る鈍感さをもっていた。 「みんなでかかれば倒せるよ!!」 「ゆっくりしんでね!!」「ゆっくりたおれてね!!」 体当たりしてくるゆっくりが増えてきた。ここら一帯に集まっていたゆっくりが萃香を取り囲んで攻撃する。 反撃しない萃香をみて体当たりが効いてるとでも思っているのだろうか。 舐められたものだ。 そう言えば霊夢も神社の食料を求めて集まるこいつらの相手にはうんざりのようだった。 そしてここは神社の裏、霊夢のためにも灸を据えてやることにした。 「身の程を教えてあげた方がいいようだねぇ。この鬼の力、特別に見せてあげるよ」 萃香はスペルカードを発動する。 萃符「戸隠山投げ」 萃香の能力で周囲の石や岩を萃(あつ)めて敵へぶん投げる豪快な技だ。 ただし今回萃めるのはゆっくり達だ。 3mほど宙を浮かんだ萃香の右手に妖力が集中する。そしてその右手に向って辺りの空気が吸い込まれていく。 「ゆゆーっ!?」「すいこまれるよー、わからないよー」 「ゆっくりできないよ!やめてね!!」「むぎゅぅぅ」 事態を把握できないゆっくり達が萃香の右手の先に為すすべなく萃められていく。 全部で50近くいたそれはものの数秒で直径2mぐらいの饅頭の塊になった。 恐らく中央付近のゆっくりはすでに潰れて餡子と皮だけの存在になっているだろう。 「そらっ、技はまだこれからだよ!」 萃香は腕をぐるぐる回す。これからゆっくり達の塊を投げるための勢いづけだ。 「ゆ”ーー!!」「ゆ”っぐりでぎない”~!!」 「まわずのゆ”っぐりじでぇぇ!!」 塊の外側にいるゆっくりはまだ話せるようで悲鳴を上げる。 「ゆっくりしたい? ならゆっくりさせてあげるよ」 この時萃香は自分が楽しんでいることを感じた。 こいつらの悲鳴を聞いてると何とも言えない気持ちになるのだ。 このまま地面に勢いよく叩きつけたらどんな反応を示すだろう。 それを早く見たくなった萃香はいつもより本気でゆっくり達の塊を地面に向けて投げ付けた。 ゆっくり達が投げられたことを認識するよりも前にゆっくりの塊が地面に激突する。 「ゆ”べっ!!」「ぅ”あ”!!」 途端に弾ける大量の餡子。そして断末魔。 ゆっくり達の塊のうち、4/5は一瞬にして餡子と化した。 なんとか形を保っているのは地面に激突したのと逆側にいた残り1/5のゆっくりだった。 それでも激突した衝撃が伝わって驚愕の表情のまま絶命しているものがほとんどだった。 「ちょっとやりすぎたみたいだねぇ」 そう言う萃香だったがその顔は綻んでいた。 「ゆっ、ゆ”」「あ”あ”あ”」 苦しそうな声を出すゆっくり達。だがその数はたったの四匹。ゆっくり霊夢一匹とゆっくり魔理沙の二匹、ゆっくり橙が一匹だ。 しかし焦点が合わないもの、皮が破れて餡子が他の死んだゆっくりたちの餡子の湖に流れ出ているもの、 舌が取れてしゃべれないもの、嘔吐しているものと無傷のものなど一匹もいない。 萃香はそのうち二匹を天界へ持っていくことにした。他の二匹はおそらくこのまま死ぬだろうからほうっておく。 天界の一角に萃香は現在住んでいた。天人の娘と闘って得た場所だ。 一面に花が咲き誇り、天敵となるものもいない。楽園と呼ぶにふさわしい場所だったが萃香にとっては少し退屈だった。 そこで今回生き残った二匹のゆっくり、れいむとまりさを飼って退屈を紛らわせる道具にしようと考えていた。 死にかけのゆっくりに桃をしぼって与えると少し元気を取り戻したようだ。 目立った外傷もないようだし後は放っておけば治るだろう。 「さて、今度こそ神社に遊びに行くかねぇ」 萃香はいくつかの桃をゆっくり達の周りに置くと、桃をもって再び神社へと遊びに行った。 翌朝 萃香は天界へ再び戻ってきた。 ゆっくり達は治ったかなと思いながら見に行くと、それはもう元気に跳ねまわっていた。 ゆっくり達は萃香を見ると元気に挨拶する。 「「ゆっくりしていってね!!」 萃香は少し驚いた。自分に何の恐れも抱いてないとは。 まあゆっくりは記憶容量が小さいのだ。きっと昨日のは忘れたのだろう。 「おねえさんれいむたちのおうちに何の用?」 「いっしょにゆっくり出来る??」 さらに萃香の場所を自分の場所だと主張する。 困ったものだ。これはお仕置きしないといけないな。 萃香に芽生えたSな感情がふつふつと湧き上がる。 「何か勘違いしてるみたいだねぇ。ここはお前たちのおうちじゃないよ」 「ちがうよ!! れいむとまりさのおうちだよ!!」 「ゆっくりできない人はゆっくりでていってね!!」 「そうかい。口で言って分からないなら体で覚えてもらうしかないねぇ」 昨日と同じようにゆっくり達を自らの腕へと萃める。 「ゆっ!?」 この吸い込まれる感覚は味わったことがある。なんだっけ? 確か昨日こんなことがあったような。 「!! や、やめてね!!」 「あ”あ”あ”!! ゆっぐりざせでぇ!!」 ゆっくり達は思い出す。この吸い込まれる感覚。その後起きた惨劇。 「さて、この後はどうなると思う」 萃香は今にでも投げるぞと示すように腕をくるくる回す。 「やめてえぇぇ!! まわざないでぇ!!」 「ごめんなざいぃぃ!!!」 命乞いの声に何かが満たされるのを感じた萃香はさらに続ける。 「何がごめんなさいなのか言ってごらん?」 「わだじだちがわるがったよ”おぉぉぉ!!」「ゆるじでぇぇぇ!!」 「じゃあここは誰のおうちだい?」 「れ”いむだちのおうぢぃぃ!!」 「まだ分からないのか。じゃあ投げるよ!!」 「「お”、お”ねえざんのおうぢでずうぅぅ!!」」 「分かったなら降ろしてあげる」 ぽとりと地面にゆっくりを落とす。目が回ったのかフラフラしている。 さてここで終えるのも勿体ない。もっとゆっくり達が自分を恐れる声を聞きたかった。 攻撃をすると簡単に潰れるからできない。楽しめないから。 どうしたものかと考えた結果、瓢箪から出る酒を使うことにした。 「ほら、元気が出る飲み物をあげるよ。口を開けな」 「ゆっ!飲み物! 欲しいよ!!」 「ゆっくり飲ませてね!!」 目が回ってフラフラしていたのはどこへやら。一瞬で元気になりぴょんぴょん跳ねておねだりを始める。 「じゃあ口を開けて並びな」 二匹は言葉に従って並ぶと、口を大きく開けてこっちを見上げてくる。 「ゆっくりはやく飲ませてね!!」 「はいはい、すぐ飲ませるよ」 昨日のは甘い桃の酒。 しかし今回は酒豪の萃香も満足できるほどの強い酒だ。こいつらには刺激が強いだろう。 瓢箪からゆっくりの口へと酒が流し込まれる。次の瞬間ゆっくりの顔が固まる。 急いでもう一方のゆっくりにも飲ませる。 「ゆ”ばばばびぃ!!」「がふっがふっ」 今までにない反応だ。これは楽しい。 ゆっくり達は口の中の燃えるような感覚に転げまわった。 「大袈裟だねぇ。でもおいしいだろ?」 「お”いじっ、ぐない”ぃ!!」 「がら”っ、い”の、い”や”、だよ”おぉ!!」 涙を流しながら萃香を睨めつける。 「ゆっぐりあやまってね!!」「ひどいおねえさんとはゆっくりできないよ!!」 「なに、これからゆっくり出来るよ。体がポカポカしてきたろ?」 「ゆ?」 言われてみると確かに体がポカポカしてきていた。それになんだかゆっくりした気分になってくる。 そう言えば昨日も甘い味のする水を飲んだときも同じようにゆっくりした気分になった。 もちろんこれはお酒を飲んだからなのだが、ゆっくり達には不思議だった。 「おねえさん、ゆっくりできるよ!!」「ぽかぽかー!!」 「それはよかった。ならもっと飲むかい?」 笑顔でゆっくり達に酒を勧める萃香だったが、その眼は観察をする眼だった。 ゆっくり達は隠された悪意に気付かない。今はとにかく不思議な水をもっと飲みたかった。 「ゆっくりのませてね!!!」「でもからくないのにしてね!!!」 「ふふっ、いいよ。辛くない酒だね」 今度は瓢箪から甘いお酒を出す。しかしアルコール度数は高い。 萃香はゆっくり達を限界まで酔わせてみようとしていた。 「「ごーく、ごーく、しあわせー!!」」 それから十分近くゆっくり達にお酒を飲ませ続けていた。 明らかに体積より多く飲ませているが、まだ飲んでいた。 「さて、そろそろいいかな」 ゆっくりの様子を見て萃香は二匹に酒を与えるのを止める。 「ゆ~? もっろのませれよぉ」 「まだのめるよ! もっとのませてね!!」 ゆっくり魔理沙はべろべろに酔っ払って舌が回らないうえ、見るからにふらふらで右へふらふら左へふらふら揺れていた。 それに対してゆっくり霊夢は比較的まともだ。 しかしこれはお酒の強さとは関係がない。 萃香はゆっくり魔理沙に与える酒だけ強いお酒、ゆっくり霊夢には1%程度のお酒とも言えない程度のお酒を飲ませ続けていたのだ。 「な~にひてんのぉ!! まりふぁはもっろのめるぉ!!」 「その前にいいことしてあげるよ」 萃香はゆっくり魔理沙を後ろから両手で抱えるとゆっくりと揺さぶる。 以前、人形遣いがゆっくりにやっていたことの真似ごとだ。 ゆっくり達はこうやって揺さぶってやると発情するらしい。普段なら。 しかし泥酔状態の今ならどうか。 萃香自身は酒で潰れないので体感的には分からない。 だが前に神社で宴会をしたときに見たからどうなるか大体知っている。 珍しく酔っ払った霊夢を悪ふざけで揺さぶったら…いや、言うまい。 あの後しばらく霊夢は口を利いてくれなかった。 ともかくだ。酔っぱらった状態で頭を揺さぶるとひどいことになる。 ゆっくり魔理沙も揺さぶられて、性と酔いの二重の快感に酔いしれていた。 しかし少しずつ、いや急激にそれは込み上げてくる。 口をだらしなく開けていたゆっくり魔理沙が「うぐっ」と言ううめき声とともに口を必死に閉じる。 絶えず襲ってくる吐き気。 「んぐっ、むぐっ」 頬を中心にゆっくり魔理沙が膨らんでくる。吐いてしまうのを必死で耐える。 とても苦しいのだろう。涙が滝のように流れている。 「ゆっくりできるでしょ。ほらほら、もっと揺さぶってあげるよ」 「んむぐぅぅぅ!!」 ゆっくり魔理沙は「ゆっくりできないよ! すぐにやめてね!!」と言いたいがそれはできない。 口を開けたら途端に中身を吐き出してしまうだろうから。 しかしいくら吐き気を我慢しても萃香は揺さぶる手を止めない。 我慢の限界ももうすぐそこだ。 その時ゆっくり霊夢はと言うと呑気に 「まりさばかりゆっくりさせてもらってずるいよ!! れいむもゆっくりさせてね!!」 ゆっくり魔理沙が苦しんでいるというのに酔ったゆっくり霊夢はそれに気付かない。 ゆっくり霊夢は早くゆっくり魔理沙と代わって欲しくて萃香の周りをぐるぐると飛び回る。 萃香はゆっくり魔理沙に耳打ちする。もちろんゆっくり霊夢に聞こえぬように。 「お前のお友達はひどいね。苦しんでるお前を助けようともしない」 「んぐ~~!!」 お前が苦しめてるんだ。と萃香に避難の目を向けるゆっくり魔理沙だったが、 確かにゆっくり霊夢は自分を助けようとしない。それどころかぴょんぴょん跳ねてゆっくりしている。 ゆっくり魔理沙は絶望してしまった。そして絶望が諦めを誘発した。 「ぅごぇえぇぇぇぇぇぇ!!! お”べええええええ!!!」」 逆流する餡子に耐えきれず、ゆっくり魔理沙は餡子を吐いてしまう。 それは半端な勢いじゃない。明らかに生きるのに必要な分の餡子まで出してしまうほどだ。 美しい天界の花畑を汚らしい餡子がびちゃびちゃと汚していく。 汚したのはそれだけではない。 萃香の周りを跳ねまわっていた霊夢にもそれはかかってしまう。 「あ”あ”あ”! なにこれぇぇ!!?」 「ははは! 友達の餡子だよ。ほら、すごい勢いだよ?」 ゆっくり魔理沙から吐き出される餡子をさらもゆっくり霊夢へと浴びせる。 「や”、や”めで~~! ま”り”ざがしんじゃうよおお!!」 「そうだねぇ。このままだと死ぬかもねぇ」 そう言って未だ吐き続けるゆっくり魔理沙を地面へと置く。 「ほら、餡子を戻してやらないと死ぬよ?」 「がほっ、げぼっ、じに、だぐな”い、おげっ」 吐きながらも死にたくないと訴える友達をゆっくり霊夢は放っておけるわけがない。 ゆっくり霊夢は餡子まみれになりながらも、吐き出された餡子を自らの口に含んでゆっくり魔理沙に 口移ししようとする。 しかし、口移ししたそばからそれ以上の量の餡子が吐き出されるのだから意味がない。 「まりざぁ、あんこを飲んでよぉぉ!! しんだらゆっくりできない”よぉ!!」 だがゆっくり魔理沙は答えない。答えられない。 すでに瞳に光はなく、口から出るのは餡子だけだ。 「まりさぁぁぁ!! あんこをのんでぇぇぇぇぇ!!」 ゆっくり霊夢はバカの一つ覚えのように餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続けていた。 何度かそれを続けるとようやくゆっくり魔理沙が餡子を飲み込んだ。 「ゆっ!」 ゆっくり霊夢はこれでまりさが回復すると希望を持てたのだろう。 「もっとのんでね!! あんこいっぱい戻したらまた一緒にゆっくりしようね!!」 次々と餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続ける。その動きはさっきよりずっと生き生きしていた。 萃香はその様子をずっと見続ける。その顔には満足が浮かんでいた。 (これは確かに面白いねぇ。あの人形遣いや氷の妖精なんかが熱心になる理由がよく分かる) ゆっくり魔理沙はとっくに死んでいた。餡子を体に詰めなおしたところで生き返りっこない。 萃香はそれも分からずに回復するかもと、希望にすがるゆっくり霊夢をニヤニヤ眺めていた。 ゆっくり霊夢が二度とまりさが動かないと理解したのは、半日も経ってからだった。 ゆっくり霊夢はぴくりとも動かなかった。 まりさが死んだことを理解したくないのに死んだことを理解してしまったゆっくり霊夢は、何も考えたくないと現実から逃避してしまっていた。 「あーあ、こんなになっちゃったらもうつまらないや」 反応がないと虐めがいがない。萃香はゆっくり霊夢を掴むと神社へ遊びに行くことにした。 (このゆっくりは霊夢と一緒に食べるとしよう) そして帰りにゆっくり達を調達しよう。 次は何してみようか、何をさせたら面白ういだろう。 この先のことを考えると楽しくて仕方がない萃香であった。 終
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4451.html
ゆっくりが食品として流通している今の世の中、人々は様々な調理法でゆっくりを食べていた。 そして今日、とあるパーティー会場で『ゆっくりディナーショー』なるものが開催された。 主催者は『ゆ虐七連星』にして味の探究者である食ゆ鬼意山だ。 食ゆ鬼意山は少しでも飽きずに食べ続けられるように色々な調理法を試していた。 このディナーショーはそれらの発表の場でもあるのだ。 「えー、この度はこのような場所に足をお運びいただきまことにありがとうございます。 まずは余興をお楽しみください…。」 会場に集まった100人以上の客がステージに注目した。 これはあくまでディナーショーである。今はショーの時間なのだ。 主役はもちろんゆっくりたちだ。ショーの時もディナーの時も…。 だが当然ゆっくりたちには真実を教えていない。 加工場や山などから集めに集めた大量のゆっくりたちには、 『皆のゆっくりした姿で人間たちをゆっくりさせて欲しい』とお願いしてある。 最初にステージに上がったのはれいむとまりさのポピュラーな家族だった。 子れいむ3匹、子まりさ4匹の至って平凡な家族だ。 「ゆっ!れいむたちのおうたでゆっくりしていってね!!!」 「ゆ~ゆゆ~ゆ~ゆゆ~♪」 「ゆゆゆ~ゆ~♪ゆっゆゆゆ~ゆ~♪」 沢山のゆっくりの中から適当に代表に選ばれたゆっくりたちは皆やる気満々だ。 誰かをゆっくりさせることで大きな優越感に浸ることができるからだ。 …この家族は気付いていないが、客の大半は殺意のこもった顔でじっと見ていた。 ゆっくりの歌は人間が聞けば99%以上が雑音以外の何物でもない。 だが客は皆歯を食いしばり耐えていた。今は我慢の時なのだ。 ここでゆっくりに対する怒りを溜めておき、後で思いっきり発散するのだ。 中には強く握り拳をつくり、爪が食い込み血が出ている客もいた。 耳障りな雑音が終わると今度はれみりゃ(胴付き)の家族が出てきた。 母れみりゃと子れみりゃ1匹と赤れみりゃ2匹だ。 「う~♪おぜうさまのダンスでゆっくりするどぉ~☆」 「しゅりゅどぉ~♪」 「う~う~♪れ☆み☆りゃ☆うー!!」 「もう我慢できねぇ…。ひゃあっ!虐待だぁ…!!」 「皆様、くれぐれもステージのゆっくりに手を出さぬようお願いします。 辛いのは皆同じです。この苦難を乗り越えてこそ幸せを掴めるのです。」 「ぐ…!そうだ、我慢我慢…。」 食ゆ鬼意山が途中でアナウンスを入れ、客の暴走を抑止した。 「う~♪うあうあ♪にぱ~♪」 「うっう~う~♪(ブーッ!!)」 「あぁ~!おならでちゃうどぉ~♪(ブーッブーッ!!)」 れみりゃのダンスとおならで客の不快指数は急上昇だ。 れみりゃは好きなだけ踊ると満足してステージから去った…。 その後も虐待派やそうでない人もイライラするような企画が目白押しだった。 というかここに来ていた客の9割は虐待派の方々であるが…。 「むきゅ!ぱちゅりーのあかちゃんにみんなみとれてるわ!!」 植物型妊娠したぱちゅりーが延々と親バカぶりを発揮したり…。 「わかるよー。ちぇんのしっぽにめろめろなんだねー。」 調子に乗ったちぇんが尻尾をフリフリして愛想を振り撒いたり…。 「ありすがとかいはなおはなしをしてあげるわ!!」 ありすにイメージだけの都会の妄想話を聞かされたり…。 「まりささまはさいきょうなんだぜ!このまえれみりゃもたおしたぜ!」 井の中の蛙という言葉がぴったりのまりさが武勇伝を語ったり…。 「きゃわいきゅてごめんちゃい!!!」 「れーみゅをみちぇゆっきゅりしちぇね!!」 「まりしゃとしゅりしゅりさしぇちぇやるじぇ!!!」 自分たちは可愛いから愛されて当然と教育された、 加工場出身の虐待用赤ゆの大群がぎゃーすか騒いだり…。 極め付けには、「実録・ゆっくりの最も幸せでゆっくりしたゆん生」というビデオが流れた。 1時間近くずっとゆっくりたちの幸せそうな光景が流れるという、 虐待派なら気分を悪くするような映像だ。 「気持ち悪い…。うげぇ…。」 中には嘔吐しかけた者もいた。客のストレスはすでに限界を突破していた…。 「皆様、お待たせしました。これよりディナーの方へ移ります。 こちらのお部屋に移動してください。」 食ゆ鬼意山の案内で客全員がバイキング会場へ移動した。 客が歩く度に足元から噴き出した負のオーラが床を腐食させていた。 中には口から瘴気を吐き出し、目の前を通った虫を殺す者までいた。 そんな客の負のオーラも5分後には吹き飛んだ。 そこには大量のゆっくりが一流シェフによって調理されていたのだ。 いい匂いが客のストレスをみるみる奪っていった。 「さぁ、皆様!思う存分食べてください!!!」 その食ゆ鬼意山の言葉を合図に客が一斉に食事に入った。 「美味そうだなぁ!!これ食べよっと!!」 「お父さーん。この『赤ゆのしゃぶしゃぶ』食べたい~!!」 「はは、じゃあお父さんがつくってやろうな。」 食ゆ鬼意山は問題が無いか点検することにした。 ここでは彼の目線でバイキング会場を見てみよう…。 1、赤ゆのしゃぶしゃぶ 普通のしゃぶしゃぶをする時の台の横に、足を傷付けられ動けない赤ゆが置かれていた。 種類は実に様々だ。余談だが、この赤ゆたちはさっきショーで騒いでいた加工場出身赤ゆである。 可愛がられて当然と思っていたのに突然足を包丁で薄く切られ放置されたのだ。 全員状況も考えず文句を言いまくっていた。 「いちゃいよぉぉぉ!!どぼじでこんにゃこちょしゅりゅにょぉぉぉぉぉ!!!」 「じにぇぇぇぇぇぇ!!!!ゆっきゅりじにぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 するとそこにしゃぶしゃぶを食べたがっていた子供の父親が立ち寄った。 子供はわくわくしながら父親を見つめていた。だが赤ゆたちは父親を睨みつけた。 「ゆぅ!!?にんげんしゃんははやきゅれーみゅたちを…!」 「はいはい、よいしょっと。」 「ゆっ!おしょらをちょんでるみちゃい!!!」 父親は一番五月蝿かった赤れいむを横に置いてあった長い箸でつまみ上げた。 そして…しゃぶしゃぶ台に満たされている熱湯に突っ込んだ。 「ゆぴゅっ!!!!!!!!!!!!!???????」 「ほれ、しゃ~ぶしゃ~ぶ♪こうやるんだ。」 「お父さんすごーい!早く食べたいよ!!」 「まあまあ慌てるな。ほら、できたぞ。」 そっとしゃぶしゃぶし終えた赤れいむを子供の皿に乗せた。 「ゆ゛っ゛…。ゆ゛っ゛…。」 「もっと食べたいな!次やってみていい?」 「いいけど気を付けるんだよ。お湯は熱いからね。」 皿に乗った、火傷で一回り膨らんだ赤れいむを見てしまった他の赤ゆたちはパニックに陥った。 箸が次々と赤ゆを捕え、熱湯に突っ込んでいく…。中には失敗して溶けて消える赤ゆもいた。 「あっ!やり過ぎだな。溶けちゃったぞ。」 「本当だ~。やっぱお父さんやってー。」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!やべぢぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「やめちぇねっやめちぇねぇぇぇぇぇぇ…あぢゅあぶぶぶぶぶぶぶ…っ!!!」 赤ゆしゃぶしゃぶは泣き叫ぶ赤ゆが熱湯によってただの食べ物となる工程が楽しめる。 中々の好評っぷりに食ゆ鬼意山は満足しその場を去った。 2、ポップゆっくり これも赤ゆを主な材料とする料理で、どちらかと言えばお菓子に近い感覚の食べ物だ。 担当のシェフがフライパンに軽く油を入れ、その後赤ゆたちを放り込む。 「ゆ!?べちょべちょしゅりゅよ!」 「きみょちわりゅいにぇ…。おじしゃんたしゅけちぇね!!!」 だがシェフはことごとく無視した。食材と会話するほど暇では無いからだ。 シェフはニヤリと笑うとフライパンに透明な蓋をし脱出口を塞いだ。 そしてツマミを捻り火を付けた…。 「おっ!ポップゆっくりだ!見ていこうぜ!!」 「見てるだけで癒されるんだよな~!!」 いつの間にか観客が増えていた。全員がフライパンの中に注目している…。 フライパンはこれ専用の巨大フライパンであり、1度に赤ゆ30匹を調理できる。 1分後、中の赤ゆたちが異変に気付き始めた。 「ゆぁっ!あちゅいっあちゅいよ!!?」 「ゆひぃぃぃ!!あぢゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」 「だじゅげでおがぁじゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」 中の赤ゆたちがピョンピョン跳ね始めた。 その度に蓋に激突し熱されたフライパンに戻り、そしてまた跳ね… そのハジケっぷりは確かにポップコーンに似ていた。 「おじぢゃんだぢゅげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「ちんぢゃうっちんぢゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」 「いぢゃいぃぃぃぃぃあぢゅいぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 遂には他の赤ゆを踏み台にフライパンの熱さから逃れている赤ゆもいた。 だがシェフは見逃さない。平等に火が通るようにフライパンを揺らして調整する。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!」 「ぢんぢゃ…う…。」 「だぢゅげ…。」 声が聞こえなくなったら完成の合図。蓋を開けると香ばしい匂いが辺りを包んだ。 「いや~!面白かった!すいません3つくださーい!!」 「あっオレ2つ!!」 1度に取れる数が3つまでと制限があったがかなり好評であった。 やはりできあがるまでの工程が楽しいからだろう。 「ぱくっ。美味い!サクッとしてて酒にぴったりだ!!」 食ゆ鬼意山は1つだけ食べると次の場へ移動した…。 3、ゆっくりところてん 名前の通りゆっくりをところてんみたいにしてしまう。 用意されているのは冷凍庫で程よく凍りついた子ゆっくりだ。 食べたければそこから好きな子ゆっくりを選び、外に出せばいい。 まず数分間ぬるま湯に浸し、意識が覚めたら素早くぬるま湯から出す。 適度に凍っていないと上手くできないからだ。 「ゆびびび…。ざぶいよよぉぉぉぉ…。」 「えっと、こいつをここに入れてっと…。」 「ゆぴぃっ!?せせせっせまいよ!だだだっだしててててってね…ガチガチ…。」 まだ寒そうにしているぐらいが頃合いだ。さっさとところてん製造の筒に入れてしまおう。 後は至って簡単。普通のところてんみたいに押し出しせばいいのだ。 このお兄さんは子まりさを選んだ模様。 「ゆぎぃっ!!?ぐるじ…やべで…ね…!!」 この時少しずつ時間を掛けてやると甘みが増すので時間に余裕があるなら挑戦すべきである。 だが中の子ゆっくりも必死に押し返してくる。その無駄な努力をある程度楽しんでも良い。 網目状の出口は切れ味の悪い刃物のようであり、強く押せばじっくりと子ゆっくりを苦しめられる。 「いつまで遊んでるんだ?他の料理もあるんだぜ。」 「ああ、悪いな…。ついつい…ね。そりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!」 「ゆぐぷっやべぎゅいぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 「グイグイグイグイ…。」 「いぢゃいぢゃいいぢゃいぃぃぃぃぃ!!!!ぎれでりゅよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「せーの…やぁっ!!!!」 「ゆげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…ぎゃ…っ!!!!」 スポーンと筒からところてんのように細くなった子まりさが出てきた。 少し凍っていたおかげで中身が飛び散らず、叫び声に比例するほどのグロさもなかった。 後はシロップでも海苔でも好きにかけて食べるだけである。 「俺は練乳でいただくぜ!!」 「俺もやろっと!ありす種でやってみるかな…。」 4、成体ゆっくりの刺身 これは皿に盛ってあるのを取るタイプだ。 成体ゆっくりが綺麗に刺身になっておりとても美味しそうだ。 だが不思議とあまり人気はなかった。 「う~ん。やっぱり動かないからかな…。」 刺身になったゆっくりは当然死んでおり動かないから…。 それと成体だからかもしれない。成体は味が微妙なのだ。 食ゆ鬼意山はメモしつつ次の場所へ向かった。 5、子ちぇんの激痛盛り 今回の料理の中でも屈指の人気を得た料理だ。 料理といっても調理法は至ってシンプル、至極単純なものだ。 まずは手頃なサイズの子ちぇんを用意する。野球ボールぐらいの大きさだ。 子ちぇんは大きめのタッパーに閉じ込められていたので出してもらってご機嫌だ。 「わかるよー。たすけてくれたんだねー。」 「…………。」 シュパッ シェフは何も言わずに包丁を持ち、子ちぇんの足、つまり底部を切り取ってしまった。 「いぢゃいよぉぉぉぉぉぉ!!!!わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 そしてすかさず適度な温度で溶けたチョコクリームを底部によく塗って固める。 こうすることで子ちぇんは完全に動けなくなるのだ。後は皿に盛ってできあがりである。 「いぢゃ…ゆぎ…っわぎゃりゃ…な…!!!」 この時点でもだいぶ苦痛で美味しくなっているが、この料理の神髄はここからだ。 客が現れ、加工し終えた子ちぇんを運んで行く。 子ちぇんは助けてくれると勘違いしわずかな希望を抱くが…。 「いただきます。」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 ざり…ざり… この子ちぇんを取ったお兄さんは子ちぇんの後頭部にギザギザしたスプーンを当て、 わざとじっくり傷を付けるように切り始めた。 ギザギザが子ちぇんに更なる激痛を与えるのだ。 「いぢゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 「元気がいいなぁ!ぱくっ。うん、美味い!!」 食べる度に激痛によって美味しくなっていくのがまたすばらしい点だ。 「そろそろ尻尾から吸ってみよっと。」 「あぎゃひぴぎぃぃぃぃぃっ!!!!?ゆぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 お兄さんは尻尾を口に咥え、先端を噛んだ後中身をストローのように吸い始めた。 ある程度激痛を与えて子ちぇんが自分好みの甘さになったら一気に吸い上げるのだ。 じゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ… 「わ…わが…ら…。」 「あ~!美味しかった!!また食べよっと!!!」 その様子を食ゆ鬼意山は嬉しそうに見つめていた。 この会場はもうゆっくりの断末魔と悲鳴でいっぱいだ。 だが皆、まるで小鳥のさえずりを聞いているかのような爽やかな顔をしていた。 この後鬼意山はあちこちを点検し評価をメモしていった。 次のディナーショーの参考にするのだ。 今回紹介した以外にも沢山の料理があるが、 数が多過ぎるためここまでにしておこう。 そしていい感じのムードになってきた頃、いよいよメインイベントが始まった。 「皆様!これよりゆっくりたちによるスペシャルショーをお楽しみください!! まずは痙攣鬼異惨が考案してくださった『痙攣大合唱』です!!」 幕が上がると客全員が期待の眼差しを向けた。 ステージには大小種類様々なゆっくりが置かれていたのだ。 そして指揮者としてステージに上がったのは特別ゲストの痙攣鬼異惨だ。 パチパチパチパチッ 「すぅ~…さんっはい!」 ポチッ スイッチを入れた瞬間、死んだように動かなかったゆっくりたちが次々に動き始めた。 「ゆぎ…ゆ…ゆあぁぁぁ…!!!」 「ゆっぐ…あがっげ…!!!」 そして… 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛!!!!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!!!!」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛……。」 まさに大合唱だ。リズムが良く本当に歌っているかのような絶妙な痙攣だ。 合唱と呼べるだけのレベルであり、ちゃんと担当パートや役割も分けられていた。 客全員が『ゆっくりのおうた』で大いに盛り上がった。 そして次は今回のメインディッシュの登場だ。 「これが締めくくり!!れみりゃの解体ショーでーす!!! このれみりゃ家族は最初に踊っていたあのれみりゃたちです!!! 今回も存分に死のダンスを踊ってもらいましょう!!!」 一気に会場がヒートアップする。あの不快なダンスはこれの伏線だったのだ。 その後ステージに登場したのは爽やかそうな好青年だ。 「彼は人呼んで『居合い斬り鬼威酸』!!!どんなゆっくりもバラバラにしちゃうのでーす!!」 「やぁ!僕は居合斬り鬼威酸!!今回はれみりゃ家族を切り分けて皆に提供するよ!!!」 彼はとてつもなく長い刀を持ち、でかい皿の上で呑気に遊んでいるれみりゃに近づいた。 「う~?ここはおぜうさまいがいたちいりきんしだどぉ~!!!」 「でてくどぉ!!じゃまだどぉ!!」 「しょーだしょーだ!おじぇうしゃまをうやみゃうどぉ!!!」 「う~♪あみゃあみゃくりぇたらゆりゅすど…。」 シュパーン!!!! わずか0.2秒。刹那の早業によって子れみりゃの片腕が宙を舞った。 「う…?」 シュパシュパシュパシュパッ!!!!! たった2秒で子れみりゃは痛みを感じる前にバラバラになり、皿に盛られてしまった。 周りの客が歓声を上げる中、れみりゃ家族は固まっていた。 そして10秒後、やっと可愛い我が子が分解されたことを知った。 「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「うううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!?」 「ほいさっ!!!」 するとすぐに包丁がれみりゃの間を駆け抜け、全員一口サイズにされてしまった。 赤れみりゃ2匹は即死だったが、驚くべきことに母れみりゃと子れみりゃはまだ生きていた。 「う…あ…。」 「おぜ…うさま…の…かり…す…ま…。」 何か言っているが良く分からなかったし、客はそんなことどうでも良かった。 2匹は顔以外見事に細切れにされていた。拍手の嵐が巻き起こったのも仕方がないことだった。 「さぁ、召し上がれ♪」 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!! 一斉に群がる客たちによって、れみりゃたちは一瞬で腹に収まった。 子れみりゃはその後すぐに死んだが、母れみりゃは頭だけでまだ生きていた。 「う…ああ…。」 「見てください!これじゃあ胴無しれみりゃと見分けがつきませんね!!! こんなれみりゃは…ゆっくりしね!!!」 明かりが消えて部屋が暗くなると、鬼意山の姿がみるみる変化していく…。 これが食ゆ鬼意山の能力だ。暗闇でのみ、食ったゆっくりの力を発動できるのだ。 「ゆっくりしね…。」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ふらんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 鬼意山はふらんに変身し、れみりゃに攻撃を開始した。 非現実的な光景に客は熱中し夢中になった。 「ばぐばぐむしゃむしゃ…!!」 「あ…う…。」 やはり胴無しみたいには動けず、れみりゃはふらん化した鬼意山にあっさり食べられた。 …元の姿に戻ると、客全員から大きな拍手を受けた。 「皆様!楽しかったディナーショーもこれにて閉幕です!!! 今日は本当にありがとうございました!! 出口でお土産に余ったゆっくりを配りますので良ければどうぞ!!!」 食ゆ鬼意山がペコリとお辞儀をし、滞りなくディナーショーは終わりを迎えた。 「お父さん!楽しかったね~!!」 「ああ、また来ような!」 「あの子ちぇんのやつ美味かったな~。」 「反応が最高だったよな~!」 「あまり食い物で遊ぶなよな…。」 皆満足そうな顔で帰って行った。 「今日はありがとな。痙攣鬼異惨と居合斬り鬼威酸。」 「いやいや、痙攣させる場を提供してもらって嬉しいよ。」 「…………。」 帰り際、居合斬り鬼威酸がそっと食ゆ鬼意山に呟いた…。 「いつか七連星の称号を返してもらうよ…。」 食ゆ鬼意山もそれに対して言い返した…。 「やれるもんならやってみな…。」 実は仲の悪い2人なのであった…。 食ゆ鬼意山のディナーショー…。半年先まで予約でいっぱいの大人気イベントだ。 お土産にもならなかった100匹以上のゆっくりを食べながら、 食ゆ鬼意山は次のディナーショーのプランを考えるのであった…。 ちょっと久しぶりな投稿です。 前のSSで何やら騒ぎが起こってしまい申し訳ありませんでした。 それと、自分は中傷や荒らし発言などはしておりません。 身に覚えのない文句などがまるで自分が書いたみたいになっていて驚きました。 今後はこのような騒ぎを起こさぬようネタを考えて書きますのでご了承ください…。 by七連星の人